地球規模での人口増加や異常気象等により食料問題が顕在化している。日本に暮らす我々にはあまり実感がないが、特に食糧問題は切実な問題となっている。
セブン&アイ・ホールディングス<3382>は11日、クラレ<3405>、東京農業大学、東北大学等と連携し、店舗から出る食品残渣の液体肥料化、液体肥料の野菜栽培への活用等に向けた研究に着手すると発表した。
同社は、これまでも、適正な品揃えを支える高度な情報システムの開発や、安全性と美味しさを兼ね備えた長鮮度商品の開発等、食品残渣を減らす様々な取り組みを続けてきた。また、売上高に占める食品の比率が約6割と高いことから、重要テーマとして「食品リサイクル率の向上」を掲げ、食品残渣の飼料化・堆肥化、環境循環型農業「セブンファーム」の取り組みを推進している。
今回、次世代型の食品リサイクルループの実現を目指し、産学連携による研究に着手する。まず、2015年2月より、セブン-イレブン数十店舗にクラレ等と開発したオリジナル仕様の小型生ごみ処理機を設置する。食品残渣の液体(分解液)化の運用検証を進めていく。これについては、既に東京農業大学と分解液を使った栽培試験について実施中である。また、同時に、東北大学との連携により、分解液の液体肥料化、その活用に関する研究も開始する。
このリサイクルループは、店舗側は店に設置された生ごみ処理機を使い、食品残渣を24時間で液体化する。この液体を農場側でメタン発酵機で液体肥料に変え、セブンファームなどの野菜栽培に活用する。
同社では、こうしたコンビニエンスストアへの生ごみ処理機の設置、ならびに独自スキームによる食品残渣の液体肥料化への取り組みは国内小売業で初となるとしている。(編集担当:慶尾六郎)