年越しそばが危ない?そば粉の価格上昇が止まらない

2014年12月27日 16:56

画・年越しそばが危ない?そば粉の価格上昇が止まらない★

年越しそばの時期も近いが、そば粉の価格上昇圧力が止まらない。原因は国内外のそば粉の不作と円安による価格上昇によるものだ。そば粉は8割近くが輸入に頼っているが原産国は中国が圧倒的だ。

 年越しそばの時期も近いが、そば粉の価格上昇圧力が止まらない。原因は国内外のそば粉の不作と円安による価格上昇によるものだ。

 そば粉は8割近くが輸入に頼っているが原産国は中国が圧倒的だ。多少古い資料だが、2010年の段階では中国が5億1,788万トン、2位のアメリカは1億6,870万トンと3倍近い輸出を行っている。3位のカナダは193万トンと比較にならない(財務省「日本貿易統計」)。ロシアは意外にもそば生産国であるが、干ばつで価格が高騰し、多くはヨーロッパに流れているという(ガレットなどヨーロッパでもそば粉の需要は多い)。

 国内需要の6割近くを占める中国では、不作に加えて、より高く売れるアワ、キビ、ヒマワリ、コーリャン等への転作が進んでいる。さらに中国国内での健康志向による需要増も値上げに一役買っている。14年産の中国産蕎麦の生産量は前年比11%減の8万5,000トンと予想されている。中国産の玄そば(皮をむかず精白していないそば)の輸入価格は1トンあたり9万2,000円と前年同月から6割以上も値上げしており、これは29年ぶりの高値だという。北米産も3割上昇している。

 国産そばはどうだろうか?日本最大のそば生産量を誇るのが北海道で、14年の収穫高は1万5,100トン、2位長野の約5倍、全国シェアの約45%を誇るが、こちらも夏の天候不順による不作で、仕入れ価格は2倍程度上がっているという。街のそば屋に大きな影響を与えるのがそばの製粉会社だ。干そばなど、スーパーで買えるそばのメーカーにそば粉を卸しているのもこれらの会社だ。

 そのうち代表的な長野の日穀製粉と栃木の松屋製粉が今年値上げをしている。日穀製粉の場合、中国産そば粉を平均250円から330円(税抜、以下同じ)へ値上げした。より高価な国産そばの場合はどうだろうか?両社ともすでに1キロ当たり100円も値上げしている。製粉2社は年越しそばの需要も考え、更なる年内の追加値上げは行わないが、来年の予断は許されない。厳しい値上げ圧力にさらされているそば粉だけに、来年はそば好きにとってつらい年になりそうだ。(編集担当:久保田雄城)