近頃、女性芸能人を中心にブログなどでスッピンを公開することがブームになっている。素顔を公にさらすことは、女性にとってなかなか勇気のいることだが、公開している人はそれだけ自分の肌に自信があるということのあらわれなのかもしれない。
そこで問題になるのが、肌のシワやシミ、たるみの問題だ。加齢とともに、肌にシワやたるみ、そしてシミがでてしまうのは、自然の摂理で仕方がないことではある。しかし、その発生を少しでも遅らせたり、少なくしたりしたいと思うのも当然の心理だ。
そんな中、ロート製薬株式会社が大変興味深い発表を行った。同社では京都府木津川市にロートリサーチビレッジ京都という研究施設を設け、再生医療や機能性素材の探索をテーマに研究を行っているが、その研究成果の一つとして先日、「アーティチョークエキスに、メラノサイトの老化に伴う色素異常(シミ)を予防する効果がある」ことを発見したという。
アーティチョークは、日本ではあまり馴染みがないが、ヨーロッパでは一般的な野菜として、市場などで食されている。地中海岸、北アフリカ原産の植物で、キク科チョウセンアザミ属の多年草だ。シナリン、クロロゲン酸、フラボノイドなどが含まれ、葉や花などには利尿促進、強壮、胆汁分泌促進、コレステロール低下などの効果が知られている。
加齢にともなうシミは、メラニンを形成する細胞・メラノサイトが老化することによって抗酸化物質のグルタチオンが減少することが一つの原因と考えられている。グルタチオンが体内に豊富に存在していると、メラニン色素をつくり出す酸化酵素チロシナーゼの活性を抑制しメラニンの生成をコントロールしてくれる。しかし、メラノサイトが老化することでグルタチオンが低下すると、チロシナーゼを抑制できなくなり、色素異常が起こってしまう。これが「シミ」だ。
今回、ロート製薬の研究によって、アーティチョークエキスがメラノサイトのグルタチオンの産生を通常の約2倍に増加させることが分かり、メラノサイトの老化と加齢によるシミを防ぐ効果が期待されている。同社では今後、このアーティチョークエキスを使用して、加齢に伴うシミに着目した美白化粧品などの製品開発に応用していく予定だという。実際に商品が登場すれば、大きな話題になるのは間違いなさそうだ。(編集担当:石井絢子)