この日は12月末決算銘柄の権利付き最終売買日で、2014年分のNISAの最終買付日。100万円の年間枠をまだ残す個人投資家の駆け込み買いが入るかと思われたが、それと逆方向の利益確定売りや、税金対策のための損益通算を狙った売りで区切りをつけたい勢力のほうが優勢だった。やはり17800円前後では株価水準が高すぎて個人は買いづらい。NISAが始まっても個人は今年も徹頭徹尾、押し目買い・逆張り戦略貫徹だった。11時台は17800円台にも定着できなくなり、前引けは17799円。
正午発表の11月の建設機械出荷額は5.2%増で16ヵ月連続のプラス。後場は前引けの水準で始まるが、為替のドル円が前場からジリジリ円高に進んで午後1時を回ると下押しされ、1時17分に17774円まで下落する。1時台後半からゆっくり回復し、2時台には17800円に接近。11月の新設住宅着工戸数は14.3%減の7万8364戸で9ヵ月連続マイナスだった。2時33分には17773円まで下げて安値を更新。終盤も17800円にタッチしそうでタッチせず、モタモタする時間帯が続く。大引け直前にようやく17800円にタッチし、終値は45.48円安の17808.75円で6日ぶりに反落した。日中値幅はわずか59円。TOPIXは-4.76の1421.26で5日ぶりに反落した。売買高は16億株、売買代金は1兆3842億円で、10月28日以来39日ぶりにそれぞれ20億株、2兆円の大台を割り込んで、薄商いが極まった。
プラスのセクターは食料品、サービス、化学工業。マイナスのセクターで下落幅が小さいのは建設、医薬品、銀行など。下落幅が大きいのは空運、電気・ガス、非鉄金属、鉄鋼、証券、金属製品などだった。
25日はクリスマスで欧米の株式、債券、為替、商品市場は一斉に休場。26日朝方の為替レートはドル円は120円台前半、ユーロ円は147円近辺でユーロがやや高くなっていた。月末の金曜日で「官庁御用納め」なので、取引時間前に国内経済指標が集中的に発表された。11月の全国消費者物価指数(CPI)は+2.7%で18ヵ月連続プラス、12月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は+2.3%で20ヵ月連続プラス、11月の労働力調査は、有効求人倍率は1.12倍で1992年以来22年半ぶりの高水準で、完全失業率は3.5%。11月の家計調査の二人以上世帯実質消費支出は-2.5%でプラスに浮上できない。11月の鉱工業生産指数速報値は-0.6%で市場予測の+0.8%を下回った。11月の商業販売統計速報の小売業販売額(全店ベース)は+0.4%で5ヵ月連続プラス。11月の毎月勤労統計調査の1人当たり現金給与総額は-1.5%で9ヵ月ぶりにマイナスに転じた。
日経平均は29.84円安の17778.91円で始まる。TOPIXもマイナスで始まるがすぐプラスに転じた。この日は12月期決算銘柄の「配当権利落ち日」なので序盤の配当分の下落は承知の上。日経平均は午前9時台に2回プラスに浮上して9時22分に17818円の高値をつけるが、その後はマイナスに落ちたままプラスに浮上できない。10時台は17770~17790円の間で動く。香港はこの日も休場。上海はプラスで始まる。11時台も変化はなく11時18分に17769円の安値をつける。しかし前場ずっとTOPIXはプラス。前引けは29円安の17779円でもTOPIXはプラス。
後場は前引けより少し高く再開し、午後0時台から上昇が始まり1時を回るとプラス浮上。1時13分に17840円まで上昇する。1時に自動車生産・輸出実績が発表され、生産は-12.2%で5ヵ月連続マイナス、輸出は-11.5%で4ヵ月連続マイナス。1時台にマイナスにタッチする一瞬があったがすぐ元に戻る。2時台は2時17分に再び17841円の高値を取り、プラス圏で安定。2時35分には17843円まで上昇した。しかし終盤は上値を抑えられ、終値は10.21円高の17818.96円と反発し3勝1敗、前週末19日終値から197.56円上昇して今週の取引を終えた。日中値幅は74円。TOPIXも+6.24の1427.50と反発した。売買高は16億株、売買代金は1兆3676億円で前日に引き続いて大台割れの薄商い。
プラスセクター上位は電気・ガス、建設、不動産、金属製品、その他金融、海運など。マイナスセクター下位は食料品、石油・石炭、ゴム製品、鉱業、水産・農林、小売など。(編集担当:寺尾淳)