14年より続く反動減の影響。15年は脱却なるか?

2015年01月02日 19:48

画・外形標準課税拡充で地方企業負担増 都市部と格差広がる可能性

14年11月に総務省により発表された「14年10月の家計調査」によれば、消費支出は1世帯当たり前年同月比4.0%ダウンの28万8579円という結果であり、7ヶ月連続でマイナスとなった。

 2014年によく耳にした言葉のうちに、「消費税増税」「反動減の影響」なども含まれることだろう。それほど日本経済に大きな影響を与えた消費税増税だが、その影響はすでにご存じの通り決して「いい影響」ではなく、むしろ景気回復傾向がみられ始めていた日本経済にブレーキをかけかねない、「悪い影響」であったと言えるだろう。

 こうした消費税増税が日本経済にもたらす影響を鑑みて、安倍晋三首相は14年11月、当初の予定であれば15年10月に現在8%の消費税をさらに10%へ引き上げるとの方針を示していたが、それを見送るとの発表を行い、そしてその是非を問うために衆議院を解散し14年12月に選挙を行った。しかしその選挙の争点はいつの間にか「消費税増税見送りの是非」ではなく、これまでの「アベノミクス」を評価する選挙に重きが置かれ、さらには「無意味な選挙」「自民党が勝利することがわかっていた選挙」という白けたムードを醸し出すものへと変容していった。

 しかし、まだまだ消費税増税の反動減の影響から各業界が抜け出せたとは言い難い状況は続いている。たとえば14年11月に総務省により発表された「14年10月の家計調査」によれば、消費支出は1世帯当たり前年同月比4.0%ダウンの28万8579円という結果であり、7ヶ月連続でマイナスとなった。しかし前月比では0.9%アップという結果であり、消費税増税前の駆け込み需要にともなう反動減は徐々に薄らぎつつあるという見方もあり、また従来の予定であれば15年10月に予定されていた消費税の増税が延期されたことを受けて、15年の消費は持ち直すのではないかという見方もなされている。しかしそう事が上手く運ぶかはまだまだ未知数であり、「14年10月の家計調査」を見てみても、確かに反動減の影響が薄らぎつつある様子は見てとれるが、しかし住宅リフォームや自動車などの高額品の動きは依然として鈍いままである。

 14年12月に行われた選挙では、自民党が(大方の予想通り)勝利を手にしたわけだが、はたして次の増税をどの時期に実施するのか?また今の反動減の影響から脱却をはかるために、どのような施策を講じるのか?その動向を私たちは注意深く見守る必要がある。(編集担当:滝川幸平)