民主党の代表選挙が7日告示され、長妻昭元厚生労働大臣、細野豪志元環境大臣、岡田克也代表代行が立候補を届け出た。今回の選挙は先の総選挙で海江田万里代表が落選し、辞職を表明したのをうけ実施されるもので、1月18日の臨時党大会で新代表が選出される。
春に統一地方選挙を控えているほか、参議院選挙や総選挙をにらんだ党の顔を選ぶ重要な選挙になる。特に通常国会では安保法制の見直しに伴う関連法案や原発再稼働、労働法制の見直しなどが議題になるだけに、党首討論も含め、党の再建と党勢拡大を図るうえで、今年1年は特に重要な年になる。
長妻候補は「すべての人に居場所と出番のある社会の実現を」スローガンに、格差社会の是正、政官業の癒着に切り込む、予算配分をゆがませかねない企業や団体からの献金の禁止を法で定める、貧困対策では相対的貧困率削減数値目標を導入し対策を実施する、原発は実効性ある避難計画、住民の同意、地震・津波のほかテロを防ぐ確かな対策ができない限り再稼働はしない、安保では集団的自衛権は認めるべきでない。個別的自衛権の範囲内で法整備を急ぐなどとしている。
細野候補は「新しい民主党を創る」をスローガンに、「一から党を再建しなければならない。巨大与党の暴走による民主主義、立憲主義の危機を救うため、批判するのではなく、対案を示し、国民に信頼される政党に生まれ変わる」とアピール。正社員化促進法の制定や教育費、住宅費の負担を下げるため、配偶者控除廃止を財源とした子育て支援の充実、中古住宅市場の活性化推進。安保では歴史の修正主義には立たない。安全保障基本法や領域警備法を制定するなどをあげている。
岡田候補は「熟議と決断の民主党(温かみのある公正な社会のために)」を掲げ、開かれた民主党へ党改革実行本部を設置。党改革300日プランを策定し、実行することや経済政策では子供の貧困対策に万全を期す、正規雇用の拡大、仕事と家庭の両立支援を進める、安倍政権の労働法制改悪に反対し、同一労働同一賃金の推進など雇用の安心を守り抜く、市町村の権限・財源強化を柱にした地域主権改革を推進する。政治改革では衆議院の議員定数は人口50万人あたり1議席を配分する野党案の実現をめざす。安保では集団的自衛権の閣議決定撤回を求め、領海警備法の成立を期すなどとしている。(編集担当:森高龍二)