相次ぐ異物混入の発生により、顧客のからの信頼を裏切る形となってしまった日本マクドナルド<2702>だが、まだその異物混入が業績に与えた影響は数値として表されてはいない。しかしそれは悪い影響こそ与えても、決して良い影響を与えるようなことはないだろう。それくらい、今の顧客、そして消費者は「食の安全」に対して関心が高く、また過敏だ。今回の日本マクドナルドのように相次いで異物混入を発生させてしまった以上、そうした顧客・消費者が離れてしまうことは容易に想像することができる。
しかし日本マクドナルドを苦境に立たせるのは、そうした異物混入問題だけではない。去年に発生した中国使用期限切れ加工肉問題の影響、さらにはアメリカの港湾施設の労使交渉が長引いたことにより、フラウイドポテトの材料となるじゃがいもを予定通り輸入することができなくなり、一時的にフライドポテトの販売を「Sサイズ」のみに限定したことなどの影響により、日本マクドナルドの2014年12月の業績がマイナスとなったことがわかった。
9日、日本マクドナルドホールディングスが14年12月の売上高(既存店ベース)を発表。それによれば、12月は前年同月比21.3%ダウンという結果であり、前年を下回るのはこれで11ヶ月連続のこととなる。また2桁のマイナスとなるのはこれで6ヶ月連続、そしてマイナス幅は前月よりも大幅に拡大することとなった。
かなり厳しい状況が日本マクドナルドを取り巻いていると言わざるを得ない状況である。中国の使用期限切れ加工肉問題の影響、アメリカ西海岸港湾労使交渉の長期化による一部メニューの変更ときて、今はさらに相次ぐ異物混入問題が日本マクドナルドのイメージに大きくそして暗い影を落としている。これだけ大きな問題となっているわけなのだから、間違いなく来客数などに影響をもたらすだろう。そしてそれはそのまま、日本マクドナルドの売上高に反映されることとなる。もしこのまま異物混入問題が長期化、あるいは新たなに異物混入が発見されるような事態となれば、今以上にその売上高が落ち込む可能性も十分にある。まさに今、日本マクドナルドは窮地に立たされているといっても過言ではないだろう。(編集担当:滝川幸平)