自民党の谷垣禎一幹事長は20日の記者会見で「党役員会では稲田朋美政調会長から農協改革について、今日から議論をスタートさせる」との発言と「地方創生の核になってもらうためにも農協改革が必要であるという報告があった」と述べた。
政府・自民党は全国農業協同組合中央会(JA全中)が全国の地域農協に対して持っている一律的な指導や監査権限を廃止し、地域農協の独自性を引き出し、農家・農業の育成につなげる方針を示していて、これに萬歳章JA全中会長は「JA全国監査機構が実施する監査の廃止が各JAの現場では農業所得の増大にどういった関連があるのか理解しかねるとの声が多くあがっている」などと反発を強めている。
ただ、安倍晋三総理は岩盤規制の改革を断行する姿勢を強く示している。谷垣幹事長は農協改革の意図について「何のためにこういう議論をしていくのかというところから幅広い理解を共有できるような議論をしていく必要がある」としたうえで「こういう議論は必ず意見の違いがあるところはあるので、そこだけに焦点を当てていくということになると、しばしば袋小路に迷い込むことも議論の過程ではあり得ると思う」とし「全体で何をやっているのか。自民党の農業政策は、一つは産業としての農業をしっかりしたものにしていく」と前提を明確にした。
谷垣幹事長は「そのために担い手というものに着目して農業政策を立てていく。もちろん自民党の農業政策はそれだけではない。農業の多面的機能というものも必要であるということもあるが、これからの農政を作っていくことについては、担い手をきちんと育てていく。農協もこれに役立つような努力をして頂かなければならないので、そういうところに皆共通の視点を持ちながら具体的な議論を進めていくということが必要と思っている」と農協改革の立ち位置を強調した。(編集担当:森高龍二)