1月19日、KDDIがau2015年春モデルのスマートフォンと携帯電話の新機種を発表した。中でも注目を集めたのが、同社初となるシニア向けスマホ「BASIO(ベイシオ)」(※画像)だ。これでNTTドコモ、ソフトバンクに続き、通信大手3社のシニア向けスマホが出揃った形となった。
1月19日、KDDI〈9433〉がau2015年春モデルのスマートフォンと携帯電話の新機種を発表した。中でも注目を集めたのが、同社初となるシニア向けスマホ「BASIO(ベイシオ)」だ。これでNTTドコモ〈9437〉、ソフトバンク〈9984〉に続き、通信大手3社のシニア向けスマホが出揃った形となった。スマホ市場のさらなる拡大に向け、シニア向けスマホの開発・販売競争が加速しそうだ。
KDDI発表のシニア向けスマホ「BASIO」では、「手にしたその日から、すぐに使える、使いこなせる」をコンセプトに、ホーム画面やアプリの簡略化、持ちやすいデザイン、画面全体を使って音と振動を知らせるなどの特徴を打ち出している。ディスプレイの下には左から「電話・ホーム・メール」と、使用頻度の高い順にボタンを並べ、着信時にボタンが光るなどの工夫も行った。同時に55歳以上向けの特別料金も発表し、シニア層の取り込みを狙う。
しかし、シニアのスマホニーズは「使いやすさ」、「分かりやすさ」、「安価さ」に絞られるため、競合他社と違う特色を出すことが難しいのも事実だ。ドコモは12年8月から「らくらくスマートフォン」シリーズを、ソフトバンクは13年5月から「シンプルスマホ」シリーズをすでに販売している。ソフトバンクは14年11月発売の「シンプルスマホ2」で、ホーム・電話・メールのボタンを追加、さらに無料通話アプリLINEを初期設定で搭載するなどの改良を行っている。機能や価格でそれぞれが大きく差を付けることは難しく、販売広告戦略などにも左右されそうだ。
また、シニア層からは格安スマホにも注目が高まっている。大手3社以外に、イオン〈8267〉やワイモバイル、楽天モバイル〈4755〉などが格安スマホ市場に参入している。料金が通常のスマホの半分程度の月額3000円前後であることが大きな魅力で、あまり多機能性やアプリ使用にこだわらないシニア層から人気が高い。
総務省調査によると13年末時点でのスマホ普及率は、20代が83.7%、30代が72.1%に対し、60~64歳は14%、65~69歳は7.8%となっている。普及拡大には、使いやすさや価格の他、サポートサービスの充実や、家族割引などで打ち出し、また離れて暮らす子どもや孫と楽しく連絡の取れるアプリやサービスのアピールなどが鍵となると考えられている。(編集担当:久保田雄城)