医療現場でも必需品になったスマホ スマホを活用した院内コミュニケーションソリューション

2015年02月18日 07:16

 スマートフォンは我々の生活にどんどん浸透していているが、今後は医療の現場でも欠かせないものになりそうだ。近年、日本の医療現場においては、医療の質や安全性の向上および高度化・複雑化に伴う業務の増大、生活、心理など多面的なケアに対応するなどの課題を解決するために、医師、看護師、コメディカル(医療従事者)など高い専門性をもつメンバーが互いに連携・補完し、患者の状況に合わせてチームで最適な医療を提供するチーム医療が実践されている。このチーム医療用にスマホを活用したソリューションが登場した。

 日立システムズは10日、中小から大規模医療機関のチーム医療の現場において円滑なコミュニケーションを実現する、スマートフォンを活用した「院内コミュニケーションソリューション」を提供開始すると発表した。

 このソリューションは、内線やナースコール、チャット(テキストメッセージ)機能、プレゼンス(在席状況表示)機能等をスマートフォンで一元的に利用できる院内情報基盤を提供し、効率的なコミュニケーションと情報共有を実現するサービスだ。医療従事者は他の事務職種と異なり一定の場所で業務を行うことが少ないため、内線電話をかけた際に作業中や移動中であることも多く、かけ直しが頻繁に起こっていた。しかし、チャット機能を利用すれば、送受信者双方の状況を気にせずに連絡を取り合うことができる。また、チームや委員会で自由にグループを組み、メンバーへ一斉にメッセージを送信することが可能である。

 これにより、緊急度が高い連絡は内線通話、会議時間の変更などはチャット機能を利用するなど緊急度に応じた連絡手段の選択が可能となる。その他、相手の状況(居場所・繁忙度など)もスマートフォンで確認できるため、相手の不在による伝達漏れや、電話のかけ直しなどの無駄をなくし効率的な情報共有が可能となる。中小規模から大規模な医療施設まで幅広く対応でき、スモールスタート(試行導入)など予算や用途、計画に応じた導入も可能である。対象規模は100床まで、価格は導入スマートフォン30台で350万円(税抜き)から。

 日立システムズは、今後も医療・介護機関に対するICTの導入を支援し、同ソリューションをはじめとするスマートデバイス関連事業の売上目標である約280億円(2012年4月から2015年度末までの累計)の達成を目指すとしている。(編集担当:慶尾六郎)