社長たちの「高齢化」が進んでいる。東京商工リサーチが実施した「2014年全国社長の年齢調査」によると、2014年の全国社長の平均年齢は60.6歳で、前年より0.2歳伸びた。年齢分布では「70代以上」が上昇する一方、30代以下は伸び悩む。さらに、社長が高齢になるほどその企業の業績は落ち込み、「減収減益」企業の比率が高くなることも分かった。
内閣府がまとめた2014年の「高齢社会白書」によると、日本の総人口に占める65歳以上の割合は、過去最高の25.1%(前年24.1%)。4人に1人が高齢者だ。すさまじいスピードで進む高齢化に伴い、社長の平均年齢も2009年が59.5歳、11年は60.0歳、13年60.4歳と、年々伸びてきた。
年齢分布をみると、「60代社長」の割合は、2009年の36.8%以降、11年が36.9%、13年35.8%で、大きな変化はない。一方で「70代以上」は、2009年の17.2%から、11年が19.3%、13年21.5%と増加し、14年は22.5%まで上昇。日本の経営者のうち、実に5人に1人が「70代以上」だ。一方で、「30代以下」の社長は、2009年から11年まで4.5%で推移。13年が4.2%、14年には4.0%と、年々低下傾向にある。
産業別にみると、トップは「不動産業」の60.9歳。次いで飲食業やホテル・旅館などを含む「サービス業他」と、「卸売業」が各60.6歳、「製造業」60.5歳などとなっている。最も「若い」のは、「情報通信業」の56.5歳だった。
社長の年齢別に業績をみると、黒字企業は30代以下の構成比が80.4%と最も高い。社長の年齢が若いほど黒字の割合も高く、70代以上では「赤字企業」の構成比が22%と最も高かった。さらに、社長が30代以下の企業では「増収増益」の比率が4割に迫る 一方、「減収減益」の比率は70代以上が26.8%と最も高く、次に60代が26.1%を占めた。社長が高齢化するほど、新たなビジネスモデルの構築が遅れがちになり、業績が悪化することが多いのだろう。
オーナー企業では、子息が事業を継承せず、結果として社長が高齢化していくケースも目立つ。2013年に休廃業・解散した企業の「社長の平均年齢」は67.1歳で、業績の低迷や後継者難、自身の高齢化によって、事業意欲を喪失する社長も多いようだ。企業の新陳代謝をうながす施策が求められている。(編集担当:北条かや)