ディズニーに優るエンターテインメント企業を目指す大連万達集団

2015年03月08日 17:33

 中国の複合企業、大連万達集団の動きが活発だ。1月には、スペインの有力サッカークラブ「アトレチコ・マドリード」に20%出資すると発表。2月にはスイスのスポーツマーケティング会社インフロント・スポーツ・アンド・メディア買収で合意した。インフロントは、国際的なスポーツイベントの放映権・マーケティング権を販売しており、2018年と22年のサッカー・ワールドカップの放映権の独占販売代理店となっている。

 中国の長者番付でトップの座を馬雲(アリババ会長)と競うまでになった、創業者の王健林氏は、いまや大連万達集団をディズニー以上の世界的なエンターテインメント企業に成長させることを目指しているという。

 大連万達集団は、王氏が1988年に中国東北部・大連に不動産会社として設立した。その後本社を北京に移し、大型ショッピングモール万達広場や高級ホテルの運営などで発展してきた。一方、中国全土で映画館の買収を開始、2012年には国産映画の製作・配給に進出した。

 王氏の父親は人民解放軍で活躍したヒーローで、王氏自身も17年間人民解放軍に在籍した。同社では、「男性社員は明るいシャツに黒っぽいスーツ」などドレスコードが定められており、それに違反した従業員は罰金を科せられるともいう。

 不動産から文化事業へシフトしようという同社の方針は、国内のサービス産業を育成したい中国政府の意向とも合致している。

 同社は、2012年には米大手映画館チェーンAMCを買収、2013年には「東方のハリウッド」とも呼ばれる世界最大級規模の映画スタジオ「青島東方影都」の建設に乗り出した。2017年に正式開業の予定で、2013年9月に行われた起工を祝うセレモニーにはレオナルド・ディカプリオが姿を見せた。

 王氏の派手なパフォーマンスに目を奪われがちだが、彼は都市部と農村部の格差是正にも取り組もうとしている。昨年末には、貴州省南東部の農村で農業分野への投資を発表、「10億元を投資し、5年で住民の平均収入を倍増させる」と宣言した。

 王氏と政界・官界上層部とのパイプをリスクととらえる見方もあるが、大連万達集団の快進撃は当分止まりそうにない。(編集担当:久保田雄城)