美しく、健康的でありたいと願う女性にとって「便秘」は天敵だ。便秘については、厚生労働省の国民生活基礎調査をはじめ、様々な機関が調査を行っているが、便秘の症状を自覚している人は全国で800万人~1000万人程度とみられ、とくに20代~40代の女性に多いといわれている。
便秘になると腹部の不快感だけでなく、免疫のバランスが崩れることで、風邪をひきやすくなったり、アレルギー症状などを引き起こす原因にもなると考えられている。また、腸内環境が悪化すると、肌荒れや吹き出物などの肌トラブル、ポッコリお腹や体重増加など、美容面でも影響は大きい。カゴメ株式会社?2811?が20~59歳の女性を対象に「現代女性の腸内環境に関するアンケート調査」を行っているが、ここでも体の悩みの上位に「便秘」が挙がっており、深刻な問題であることがよくわかる。
便秘の治療には主に便秘薬や整腸剤が用いられるが、最近では健康食品やサプリメントを用いることで予防や改善を心がける人も増えているようだ。
株式会社インテージが行った「健康食品・サプリメント市場実態把握レポート」をみると、健康食品・サプリメントの推定市場規模は1兆4746億円、健康食品利用推計人口は5327万人。これを生活者・消費者視点から45種類のカテゴリーに分類して、それぞれの市場規模を推計したところ、最も大きな市場は「美肌・肌ケア」と「健康維持・増進」で、この2カテゴリーのみが1000億円超えとなった。また、他の上位カテゴリーも合わせてみると、整腸目的で健康食品を利用する需要が高いことが推測できる。
整腸目的の食品といえば、やはり最初に挙がるのは「ヨーグルト」ではないだろうか。
中でも、ヨーグルトでの整腸作用を最も打ち出して展開しているのは、明治<2269>だろう。同社ヨーグルトの看板商品である「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」に含まれるLB81菌の優れた整腸効果は同社が行った摂食試験でも明らかにされている。また、フランスのダノン社による「ダノンビオ」も人気で、こちらは「BE80菌」という、独自に選出したプロバイオティクス菌株を使用し、こちらも摂食試験において、便秘の症状である便の腸管通過時間の短縮と排便回数の増加が確認されている。
そして、ヨーグルトに次いで注目されているのが「青汁」だ。
青汁市場は今や、健康食品の代名詞ともいえるほど規模も大きく成長し、近年、通販大手や異業種のからの参入も相次いでいることで、さらに拡大を続けている。青汁の中でも最近注目されているのが、蜂蜜を配合したものだ。青汁に蜂蜜と言われれば、それだけで身体に良さ気であるが、もちろんイメージだけではない。
ミツバチ産品配合青汁「はちみつ青汁」を製造販売している株式会社山田養蜂場が、便秘傾向の女性84名を対象に行なった臨床試験によると、あきらかな便秘の自覚症状の改善が確認されたほか、肌に関するアンケート結果では、飲用前と比較して「肌の状態」「肌の潤い」「化粧のり」の項目で高評価が得られたという。まさに、腸を整え、肌をキレイにする健康食品といえるかもしれない。また、飲用終了1週間後に便秘の自覚症状が再発したことから、継続的な飲用が便秘の自覚症状の鍵と考えられるだろう。ちなみに、この成果は昨年12月に岐阜県で開催された「第5回岐阜薬科大学機能性食品(蜂産品)研究講演会」で口頭発表されている。
便秘は辛い症状だが、かと言って便秘薬を常用すると、腸がより鈍感になり、便秘が慢性化・重篤化するなどの副作用が発生する可能性も示唆されている。いざという時の即効性という面では便秘薬は心強いが、常用するのはやはり危険だ。できれば、ヨーグルトや青汁などの食品で日頃からの体質改善を心掛けたいものだ。(編集担当:藤原伊織)