初めて耳にした時には、それがどういうものなのか今一つ理解することができなかった携帯電話における「SIM」だが、2011年以降大手キャリアの携帯電話端末などで「SIMロック解除機能」が搭載されるようになって以来、今や多くの人がその「SIM」という言葉を知るところとなった。また雑誌や電車内での広告でも、この「SIM」という言葉を頻繁に目にするようになった。
このようにどんどん一般化しつつある「SIM」だが、18日、NTTコミュニケーションズはスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末向けの格安SIM「OCNモバイルONE」の全コースの高速データ通信容量を、4月1日より月額利用料金を据え置きにしたまま拡大させるとの発表を行った。既存の利用者については自動的に適用される。
NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」は、NTTドコモ<9437>の通信網を利用したMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)サービスで、音声通話機能付き、SMS機能付き、データ通信専用の3つのモデルが用意されている。そして今回発表された高速データ通信容量拡大により、下り最大150Mbpsの高速通信が利用できるコースでは、1日あたり70MBまでの通信容量が110MBに、1日あたり100MBまでの通信容量が170MBに、1月あたり2GBまでの通信容量が3GBに、1月あたり4GBの通信容量が5GBにそれぞれ拡大される。また下り最大500kbpsの高速通信が利用できるコースでは、1月あたり7GBであったものが15GBに拡大される。そして今回容量拡大にともない、また下り最大500kbpsの高速通信が利用できるコース以外は名称も変更される。
こうしたNTTコミュニケーションズの容量拡大の背景には、5月より携帯端末のSIMロック解除が義務化されることがある。解除義務化により需要が増加することを見越して、容量拡大により新規顧客の獲得をはかりたい考えだ。
またNTTコミュニケーションズは同日、「Wi-Fiスポット」のトライアルサービスの期間を9月30日まで延長するとの発表も行った。このトライアルサービスでは、全国4万8000ヶ所の公衆無線LANスポットを無料で利用することができる。「OCNモバイルONE」の各コースに契約しており、かつNTTコミュニケーションズのアンケートに協力してくれる顧客が対象となる。(編集担当:滝川幸平)