JA全中の萬歳章会長が9日の理事会で任期を残して、8月の臨時総会を持って辞任する意向を表明した。農協改革法案が閣議決定し、今後、JA全中の役割や機構が大きく変わることになるなかで、任期(2019年8月まで)を残しての勇退を選んだ。
萬歳会長は記者会見で「私は農協法の改正法案が閣議決定されたことなどを一つの区切りとして、今後の自己改革を実践していくためには組合員のために、新しい中央会、新しい会長のもとで、流れを作っていきたいということで、会長職を辞することを本日の理事会で表明した」と辞任することを決めた理由を述べた。
野党第1党の民主党・細野豪志政調会長は「安倍政権が政権復帰した3年前の総選挙では明確にTPP反対を言って、農協を利用して政権を獲り、その後に見事に掌を返した。安倍政権の農協切り捨てが象徴的に現れている場面ではないか」と会長辞任表明を受け止めた。
細野政調会長は「(政府の農協改革は)農家の所得向上であるとか、持続的な農業をどう作っていくのかという議論にまったく結びついていない。全中を攻撃対象にしただけ」とし「われわれは戸別所得補償をはじめ、持続的な農業に尽力をしてきた。その制度がなくなっていること事態が極めて問題だと思っているので、国会の中で本質的な部分での議論をしっかりやっていきたい」と農業振興についての姿勢をみせた。(編集担当:森高龍二