【今週の振返り】SQ週の魔の手から逃げ切り283円上昇した週

2015年03月14日 20:06

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「春の嵐」が吹いても翌日すましてV字回復。日経平均はSQ週の猛タックルをかわし、お祭り騒ぎの中で19000円を突破して、約15年ぶりの高値水準に。

 9日の日経平均は3日ぶりに反落。6日発表のアメリカの雇用統計は、非農業部門雇用者数が29.5万人増で市場予測を4.5万人も上回り、失業率は5.5%で1月調査から0.2ポイント改善した。予想外の良い数字だがNYダウは「FRBの6月利上げ確定か?」という反応で18000ドルを割り込み278ドル安と、2月9日以来1ヵ月ぶりの安値に。金、原油など商品市場も下げた。6日の夜間取引で19000円を突破した日経平均先物もCME清算値は18860円まで下落した。為替のドル円も121円台にタッチした後で円高方向に少し戻し、取引時間前に発表された10~12月GDP改定値が年率換算で速報値の+2.2%から+1.5%に下方修正された。悪条件が揃って日経平均は18872円と前週末に比べ約100円安く始まり、「寄り天」で下落して午前9時8分に18800円割れ、9時11分に238円安の18733円まで下がるが、そこまで。前場は下値を拾われ徐々に水準を戻す展開で、18800円台を回復して前引けは18850円。

 昼休みにドル円の円安が進行して121円台に乗せたため、後場は少し高寄りし始値を抜いて「寄り天」を解消。午後0時39分に18878円まで上がるが、前場とは逆に徐々に値を下げていく展開。1時台後半には一時18800円を割る。2時に2月の景気ウォッチャー調査の結果が発表され、現状判断指数は1月比で4.5ポイント改善し50.1と節目の50を超え市場予測を大きく上回った。先行判断指数は1月比で2.6ポイント改善し53.2で、内閣府は基調判断を引き上げた。1月の完全失業率の悪化はさして影響しなかったが、日経平均は下げ幅を拡大して18800円を割り込む。2時台はおおむね18800円の手前で小動きして18790円で終了した。

 日経平均終値は180.45円安の18790.55円、TOPIX終値は-9.08の1531.76。売買高は17億株で今年最少。売買代金は2兆1949億円。値上がり銘柄数は652、値下がり銘柄数は1075。上昇したのはゴム製品、小売、サービス、卸売の4業種のみ。下落したのは医薬品、電気・ガス、不動産、鉄鋼、情報・通信、精密機器など29業種だった。

 10日の日経平均は大幅続落。夏時間に移行した週明けのNYダウは138ドルの大幅反発でも18000ドルに5ドル届かず、CME先物清算値は18855円。為替のドル円は朝方一時121円台後半まで円安が進行し、日経平均始値は18891円と前日終値比で100円以上高く始まり、すぐに18900円台に乗せる。NYダウ30種採用で話題のアップルが噂の「アップルウォッチ」をお披露目。4月24日発売。評判は悪くなく、前場はアップル関連銘柄代表格の村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>、TDK<6762>などに買いが集まった。時計とヘッドフォンは関係なさそうでもフォスター電機<6794>も上昇。日経平均は午前9時6分に18924円まで上昇するが、その後は値を下げて18850円をはさんだ小動きに。10時台は発表された中国のCPIの数字が悪くなく一時18900円にもタッチしたが、上値は重たく11時台になると下落。直前に18828円の安値をつけて前引けは18831円だった。

 昼休み中にドル円の円安が進行し2007年7月以来7年8ヵ月ぶりに一時122円台に乗せたが、日経平均先物は乱高下。ユーロをはじめ各国通貨も乱調。後場の日経平均は安値を切って再開した。先物主導で18800円を割り込んで午後0時37分にマイナスに落ちる。為替を巻き込んだ大がかりな仕掛けが出現し、やはりSQ週の火曜、水曜は要警戒の鬼門。0時44分には18704円まで下げた。1時台の下落の第2波では18700円を割り込み18622円まで下落。2時台の第3波では18600円を割り込み18577円まで下げ幅を拡大した。その間、為替はずっと円高方向。それでも終盤には押し目買いが入ったのか反発して18600円台半ばまで戻して終了した。先物のポジション調整、裁定解消売り、高値追いをあきらめた投げ売りに振り回され、日中値幅347円という大荒れの「春の嵐」だった。

 日経平均終値は125.44円安の18665.11円、TOPIX終値は-7.01の1524.75。売買高は21億株、売買代金は2兆5968億円。値上がり銘柄数は739、値下がり銘柄数は974。ゴム製品、陸運、空運、その他金融、機械、輸送用機器など8業種がプラス。鉱業、パルプ・紙、銀行、水産・農林、サービス、保険など25業種がマイナスだった。

 11日の日経平均は3日ぶりに反発。NYダウは今年最大の332ドル安で2月2日以来約1カ月ぶりの安値に沈んだ。6日の雇用統計が発端の早期利上げ懸念が増した上に、それに関連したドル高や、原油先物安、ギリシャへの金融支援にドイツが注文をつけたことも嫌気された。CME先物清算値は18540円。為替のドル円は円高が進んで121円を割り込み、鬼門の「SQ週の水曜日」の日経平均は60円安の18604円で始まる。18600円をめぐる攻防の後、午前9時5分に18628円まで上振れし、さらに下げ幅を圧縮して9時16分にはなんとプラスに浮上。TOPIXはマイナスのままなので先物主導の指数プレイ上の狂い咲きにも思えるが、それでも「狂い咲きでも花は花」なのか何度もプラス圏タッチを繰り返し、ドル円が円安方向に反転して121円台を回復した10時台には小幅高の水準に定着して18700円台まで回復してしまう。さらに10時30分には18776円までグイと上昇しTOPIXもプラスに。その後は18750円付近で安定し、前引けは18757円だった。

 昼休みも波乱はなく後場は前引けとほぼ同じ水準で再開し、しばらく18750円付近の値動きが続く。それでも午後1時台には為替の円安進行を受け再び先物主導で上げ幅を拡大し、この日の高値を取りながら1時16分に18800円を突破する。しかし2時台には18800円をたびたび割り込むようになり、東日本大震災の追悼式典で1分間の黙祷が行われた頃には為替が円高方向に反転して18700円台の半ばまで水準を下げ、終盤はさらに下落しTOPIXは一時マイナスに。日経平均は18700円台を維持したが、日経平均先物の日中取引はマイナスで終了した。日中値幅は253円で、意外にもNY市場に逆らって切り返し、前日とは逆方向にV字回復を遂げた日だった。