【今週の振返り】下落すると毎日思われながら173円上昇した週

2015年03月07日 20:08

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「今日は大幅下落だろう」と言えば、V字回復したり、後場に持ち直したりで、オオカミ少年が連日、大量発生。オオカミは寝ている? それとも寝たふり?

 2日の日経平均は3日続伸。10~12月期のGDP改定値が速報値から下方修正され、シカゴ購買部協会景気指数も大幅低下して前週末28日のNYダウは81ドル安。それでもCME先物清算値は18865円で為替レートは円安が進行し朝方は119円台後半で120円に接近。取引時間前に発表された10~12月の法人企業統計は設備投資が+2.8%と好調。誰かが神社に奉納する絵馬に書く願文と取り違えて買い注文を出したのか日経平均先物が午前9時に18990円をつける〃出来事〃があったが、日経平均始値は18890円。14年10ヵ月ぶりの18900円台に乗せ9時6分に18939円まで上昇するが、そこからズルズル下落して10時台には一時マイナスになり18775円の安値をつける。今週末の全人代開幕前に中国人民銀行が3ヵ月ぶりに貸出・預金金利の追加利下げを行った中国では10時45分にHSBC製造業PMIの改定値が発表されたが、25日に速報値50.1が出たわずか5日後でありながら50.7に上方修正。日経平均もプラスに戻り、前引けは18847円まで上昇した。前場の乱高下はまさに上昇気流と下降気流のせめぎあいの様相を呈した。

 後場は前引け水準で始まりしばらくは18840~18860円のレンジで小動き。午後1時台後半からはおおむね18830~18850円のレンジで小動きし、プラス圏を保つ。しかし2時30分を回ると失速してまずTOPIXがマイナスになり、日経平均も18800円台を守れずマイナスに落ちそうになるが終盤に粘って持ち直し、TOPIXとともに3日続伸した。

 日経平均終値は28.94円高の18826.88円、TOPIX終値は+1.12の1524.97。売買高は21億株、売買代金は2兆3340億円。値上がり銘柄数は899、値下がり銘柄数は832。上昇セクターは19でその他製品、サービス、医薬品、情報・通信、金属製品、非鉄金属、自動車など。下落セクターは14でその他金融、証券、銀行、不動産、鉄鋼、空運などだった。

 3日の日経平均は高値警戒感で4日ぶりに小幅反落。ISM製造業景況感指数は低下したが「想定の範囲内」らしくNYダウは155ドル高で史上最高値を更新し、NASDAQ総合指数は15年ぶりに5000台に乗せた。為替のドル円は円安が進行し120円台。それを背景に18910円で始まるが、この水準ではやはり過熱感があり前場は「寄り天(寄り高)」で下落する。午前9時台はプラスを保ったが、10時台はTOPIXとともにマイナスの時間帯も出現。前日終値をはさんでもみあいながらも保っていた18800円台も、上海、香港市場が安く始まりドル円が119円台の円高方向に振れるとあっさり割り込んで下げ幅拡大。アジア市場と為替でブレーキをかかる。11時台は18730円を底にマイナス圏内で戻し、前引けは18786円だった。

 昼休みにオーストラリア準備銀行が政策金利据え置きを発表。引き下げが予想されていたので豪ドルは上昇したが米ドルに対する円高基調は変わらず、後場は前引けよりやや安く再開する。それでも1時台は18800円前後の小幅マイナスの水準で推移し為替変動の影響は限定的。日銀や年金の買い期待なのか2時台はたびたびプラスにタッチするものの大引けはマイナスで終え、日経平均先物は14日ぶりの下落。しかしTOPIX、JPX日経400はプラスで4日続伸した。

 日経平均終値は11.72円安の18815.16円、TOPIX終値は+1.86の1526.83。売買高は23億株、売買代金は2兆3340億円。値上がり銘柄数は672、値下がり銘柄数は1058。医薬品、食料品、その他製品、保険、水産・農林、パルプ・紙など17業種がプラス。鉄鋼、証券、銀行、鉱業、情報・通信、倉庫など16業種がマイナスだった。

 4日の日経平均は3ケタ安で続落。利益確定売りでNYダウは85ドル安、NASDAQも5000の大台は1日限り。CME先物清算値も18730円、為替のドル円も円高が進み119円台後半。外部要因がこれだけ悪化すればさすがの東京市場も売りが優勢で100円近く下落し18716円で開始。数分後に18700円を割り込み、下げる一方で午前9時48分には18600円割れ。メガバンクを中心に主力銘柄総崩れで、ついにネコの首に鈴がついた。それでも底は18586円で、10時台は18630~18650円前後で小動きする。上海市場は反発。11時台はさらに値を戻し前引けは18670円だった。後場はほぼ前引け水準で始まり、マイナス圏ながら18700円台に乗せる時間帯も長くなり底堅い展開。毎日のように「日銀と年金の買い支え連想」が大幅安の防波堤になっている上に、インドの利下げも効いた。波乱もなく午後2時5分には18732円まで上昇して18703円で大引け。TOPIXもJPX日経400も5日ぶりに反落した。

 日経平均終値は111.56円安の18703.60円。TOPIX終値は-9.82の1517.01。売買高は21億株、売買代金は2兆3340億円。値上がり銘柄数は595、値下がり銘柄数は1127。値上がり業種は空運、鉱業、鉄鋼、医薬品、石油・石炭の5セクター。値下がり業種は金属製品、保険、銀行、情報・通信、倉庫、水産・農林など28セクター。