【今週の振返り】雇用統計ショックを蹴散らし472円上昇した週

2015年04月11日 20:36

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懸念された6日は小幅安。SQ週でも3日連騰し、木曜日と金曜の朝は「2万円まつり」。しかし達成後は「モーニングアフター」。

 昼休み中に先物が上昇し、後場は高値を取って再開直後に19950円を超える。東証アローズではその瞬間をとらえようとテレビカメラがスタンバイし、2万円アタック第2ラウンド開始。午後0時32分に先物は19980円、現物は19957円と2万円まであと43円まで上昇するが、それから少し凹む。東証1部は値下がり銘柄のほうが多く、やはり先物主導の「2万円まつり」。そのため1時を待たずしてアタック失敗後の下落が始まり、前場同様に19900円そこそこまで下げる。その付近がこの日のサポートライン。上値追いのエネルギーも切れた模様で19900~19930円の水準での小動きが延々と続き、SQ値に影響する可能性がある終盤は水準を少し上げるが147円高の19937円で終えた。年初来高値を更新しても2万円タッチはお預け。

 日経平均終値は147.91円高の19937.72円、TOPIX終値は+5.72の1594.19。売買高は19億株で20億株割れでも売買代金は2兆3497億円と大型株中心の売買を物語る。値上がり銘柄数786より値下がり銘柄数938のほうが多い。上昇は24業種で上位はその他金融、食料品、医薬品、小売、サービス、精密機器、ゴム製品など。下落は9業種で下位は鉱業、石油・石炭、繊維、陸運、銀行などだった。

 10日の日経平均は4日ぶりに反落。NYダウはアルコアの決算の不振を受け午前中はマイナスでも、午後は新規失業保険申請件数の堅調、利上げを懸念するサマーズ発言もありプラスに転じ終値は56ドル高。朝方のドル円は120円台半ば。前日にファーストリテイリング<9983>の8月期通期業績見通しの上方修正があり、それが日経平均にプラス寄与して2万円というシナリオが語られていたが、大阪夜間取引は一時2万円にタッチしCME先物清算値は20085円。「マイナーSQ(オプションSQ)」の日の日経平均は51円高の19989円で始まる。始値では到達できず2万円アタック第3ラウンド開始。SQ値が先に出て20008.47円と大台乗せ。そして午前9時7分、マーケット関係者念願の2万円にタッチして東証アローズでは拍手が起きた。ザラ場中の2万円タッチは2000年4月17日以来15年ぶり。3月のSQ日はファナック<6954>がSQ値を押し上げたが、4月のSQ日は同じ〃御三家〃のファーストリテイリングが年初来高値の5万円台に乗せてSQ値を押し上げた。

 しかし、20006円をピークに数分で下落し、マイナス圏まで落ちて19900円も割り込んで9時30分に19845円でようやく底を打つ。19900円台は9時台のうちに回復したがその前半に落ち着いてしまい、時々19900円を割ってプラスには浮上できない。これは「2万円まつり」で騒ぎすぎた「モーニングアフター(二日酔い)」の虚脱感か? 前引けは16円安の19920円で、TOPIXの下落率は日経平均よりも大。2万円タッチの「おめでたい日」なのに日銀砲の発射期待まで出てきた。

 後場は中国のCPI、PPIが堅調で上海市場が堅調なのを受けて少し高く再開しプラスに戻る。19950~19980円のレンジで一進一退するが2万円にはタッチしない。終盤に一時マイナスになってもすぐ持ち直したが、大引けで大きく下押しされまたマイナスに落ち、30円安の19907円とかろうじて19900円台を維持して終了。日中値幅は161円もあり2000年4月14日以来の終値2万円はお預け。SQ値の20008円は、朝にタッチした2万円の水平線上に浮かぶ蜃気楼のような「まぼろしのSQ」になり、日経平均は海底深く潜った。心理的節目の2万円とほぼ重なるSQ値は今後、上値を抑える屈強なレジスタンスラインの闘士と化す恐れがある。

 日経平均終値は30.09円安の19907.63円、TOPIX終値は-4.65の1589.54。売買高は20億株、売買代金は2兆7469億円でSQ日にしては少なめ。値上がり銘柄は751、値下がり銘柄は969。7業種がプラスで小売、情報・通信、金属製品、建設、ガラス・土石など。その他製品と鉱業の2業種が変わらず。24業種がマイナスで医薬品、海運、倉庫、電気・ガス、非鉄金属、水産・農林などだった。

 今週の星取は3勝2敗。前週末3日の終値19435.08円から大幅に472.55円も上昇して今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)