4月12日、MotoGP第2戦アメリカズGP決勝が行われた。レースが行われたサーキット・オブ・ジ・アメリカズでのレースは今年で3回目。F1を想定して造られたコースは幅が15mと広く、ヘアピン、中高速コーナー、ブラインドコーナーなど20のコーナーを有している。
また1200mのロングストレートと、41mの高低差が特徴的なサーキットで、マシンにもライダーにとっても非常にタフなレースコースとなっており、タイヤマネジメントが非常に重要とされるコースだ。
予選でポールポジションを獲得したのは、このコースを得意とするマルク・マルケス(レプソルホンダ)。2番グリッドには好調のアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)、3グリッドにはホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)という体制で決勝を迎えた。
雨が心配された決勝だったが、GPの決勝が行われる時間帯には雨の心配はなくなった。コースの一部が濡れていたことから40分遅れで迎えた決勝は、気温27℃、路面温度36℃のドライコンディション。
抜群のスタートを決めてホールショットを決めたのは2番グリッドスタートのA・ドビツィオーゾだった。これにポールポジションスタートのM・マルケスが続き、3番手には4番グリッドスタートのバレンティーノ・ロッシがつけた。
レース序盤は拮抗した展開で、A・ドビツィオーゾ、M・マルケス、V・ロッシ、ブラッドリー・スミス(モンスターヤマハテック3)の4台が先頭争いを繰り広げた。
レースが大きく動いたのは4周目、2番手につけていたM・マルケスがA・ドビツィオーゾを抜いてトップに立つと、後続を突き放し始める。その一方で、A・ドビツィオーゾとV・ロッシの2番手争いは激化。抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げ、8周目にV・ロッシが2番手に浮上した。
また、レース中盤では7番手スタートのアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が先頭集団に追いつき、チームメイトのA・ドビツィオーゾと3番手を争った。
レース後半はタイヤの消耗の影響も如実に現れはじめ、レースペースが落ちる選手も出始めた。
16周目、残り6周というところで3番手のA・ドビツィオーゾがV・ロッシをとらえて2位に浮上。また19周目、残り3周というところで5番手につけていたJ・ロレンソがA・イアンノーネを交わして4番手に浮上した。
結局レースを制したのは序盤にトップに立ち一人旅を演じたM・マルケス。M・マルケスは3年連続のポールトゥフィニッシュを決め、このコースでの強さを見せつけた。2位には開幕戦カタールGPと同じくA・ドビツィオーゾ、3位にV・ロッシ、4位にJ・ロレンソ、5位にA・イアンノーネという結果になった。
なお、レプソルホンダのダニ・ペドロサは右腕手術のために欠場し、代役として参戦した青山博一は、18番グリッドからスタート、11位でレースを終えた。
さらに、今シーズン復帰参戦を果たしたスズキ(チームスズキエクスター)は、8位にアレイシ・エスパルガロ、9位にマーベリック・ビニャーレスとまずまずの戦績で2戦目を終えている。
また、アメリカズGPはタイヤに厳しく、タフなコースのためリタイアが続出。オープニングラップでスコット・レディング(EG 0,0 Mark VDS)の転倒の巻き添えとなりリタイアを余儀なくされたポル・エスパルガロ(モンスターヤマハテック3)をはじめ、7台がレース途中で姿を消す、厳しい展開となった。
初戦は5位と奮わなかったものの、得意のコースで強さを見せたM・マルケス、2戦連続2位をキープし、ドゥカティの復調ぶりを見せつけているA・ドビツィオーゾ、開幕戦での優勝を果たし、タフなコースでも3位表彰台を手にしたV・ロッシ。
さらに開幕戦3位、2戦目でも5位につけたA・イアンノーネ、2戦連続4位をキープしているJ・ロレンソと今シーズンはヤマハ・ホンダ・ドゥカティのファクトリーチームが大混戦の様相を呈している。
次戦は4月19日、アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われるアルゼンチンGP。今シーズンはM・マルケスが独走した昨シーズンとは全く違った様相となっているだけに、楽しみも多い。この混戦から抜け出すライダー・チームが現れるのか、それともさらに混戦状態になるのか……今後の展開がさらに面白くなることを期待しつつ次戦を待ちたい。(編集担当:熊谷けい)