【今週の振り返り】「2万円」に戻れないまま254円下落した週

2015年04月18日 20:32

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興奮の「2万円まつり」の次の週は、前半は薄商い、小動きで春眠を誘う。後半は先物主導の急落に何度も襲われ、19600円台半ばまで退却。

 13日の日経平均は続落。前週末10日のNYダウは98ドル高で3月24日以来の18000ドル台を回復した。GEの金融部門の不動産事業の売却、製造業特化、自社株買い枠の設定が好感され、「アップルウォッチ」の予約を開始したアップルも買われた。CME先物清算値は20035円と2万円キープ。パナマでアメリカとキューバの首脳会談が行われ、統一地方選挙第1ラウンドは投票率過去最低の中、与党が勝利して朝方のドル円は120円台前半。取引時間前発表の2月の機械受注は0.4%減で市場予測よりかなり良かった。

 「2万円タッチ」から約100円下げて週末を経過した日経平均は59円高の19967円で始まる。9時1分の19975円をピークに急落して19900円を割り込み、5分後に19886円まで下げる。9時台はプラスとマイナス、19900円の上と下を行ったり来たりして不安定で、2万円は遠い。10時を回ると安値を更新しながら下落し10時15分に19825円まで下げる。需給の「2万円まつりの後始末」はまだ続く。その後は持ち直しても19900円付近までがやっとで、前引けは25円安の19882円だった。日銀砲発射期待も出る中、後場は上海市場の上昇もあり19900円台に戻して始まる。午後1時台はプラスの時間帯が長かったが、2時台になると下押し。それでも値動きは小さい。終盤プラスはなっても守りきれず、19900円台を維持しながら2円安の小幅安で引けた。10日と同じように日経平均よりもTOPIXのほうが下落率が大きかった。

 日経平均終値は2.17円安の19905.46円、TOPIX終値は-3.28の1586.26。売買高は17億株、売買代金は2兆1398億円。値上がり銘柄数は731、値下がり銘柄数は1000。値上がりセクターはその他製品、鉱業、証券、情報・通信、ガラス・土石、精密機器、建設など16。値下がりセクターは保険、電気・ガス、陸運、水産・農林、食料品、輸送用機器、不動産、倉庫など17だった。

 14日の日経平均は3営業日ぶりに小反発。週明けのNYダウは4営業日ぶりに下落し80ドル安で終値18000ドル割れ。ピークを迎えた1~3月期決算についてロイターがS&P500全体で-3%弱の最終減益見通しを発表し警戒された。CME先物清算値は19865円と下落。夜のTVニュースで浜田宏一内閣官房参与の「購買力平価で言えばドル円105円ぐらいが妥当」発言が飛び出したが、朝方のドル円は120円台前半。日経平均は76円安の19828円と安く始まる。それを「寄り安」に上昇し19900円を超えてプラスに浮上。午前9時21分に19922円まで上がるが、その後は前日終値、19900円をはさんだ上下20円程度のアップダウンが続く展開。そのまま前引けにもつれこみ8円安の19896円で前場を終えた。中・小型株が買われてTOPIXは+3.91ポイントの上昇。新興市場は活気づき東証マザーズ指数は年初来高値を更新した。

 後場はほぼ前引け水準で再開し、前場の続きのような19900円前後の小動きが続く。TOPIXは引き続きプラス。ドル円が120円を割り込んだせいか午後1時台に19870円付近まで下げるが、すぐ戻る。しかし後場はプラスにタッチできない。薄商いで動きの乏しい「シエスタ(昼寝)」状態が続き、終盤に19900円台にタッチしてもすぐヘタれる「脱力系」。ところが、どこにそんな元気があったのか大引けで先物主導のプラス浮上。3円高の19908円と小幅高で終えた。TOPIXは後場さらに伸び+4.56。東証2部指数、日経ジャスダック平均も年初来高値を更新した。

 日経平均終値は3.22円高の19908.68円、TOPIX終値は+4.56の1590.82。売買高は17億株だったが売買代金は2兆111億円でかろうじて2兆円台乗せ。値上がり銘柄は1279、値下がり銘柄は475で東証1部全体では全面高の様相。上昇セクターは22でその上位はパルプ・紙、水産・農林、電気・ガス、鉄鋼、石油・石炭、海運など。下落セクターは11でその下位は鉱業、証券、精密機器、食料品、不動産、サービスなどだった。

 15日の日経平均は反落。NYダウは59ドル高で18000ドル台を回復したがNASDAQは続落。金融大手の決算は強弱まちまちで、小売売上高は4ヵ月ぶりのプラスだったが市場予測を下回り、エネルギー株の堅調が支え。IMFの世界経済見通しはアメリカはドル高懸念で下方修正、日本は上方修正。CME先物清算値は19910円。朝方のドル円は119円台半ばまで円高が進んだ。日経平均は70円安の19838円で始まり、TOPIXもマイナス。始値を寄り安に下げ幅を圧縮する序盤は前日と同じでも上昇は2分後の19870円どまり。その後はマイナス圏の19830~19870円のレンジで小動き。ところが10時15分頃からにわかに上昇開始。19900円を超えTOPIXとともにプラスに浮上し10時27分に19913円の高値をつける。いったん凹んだ後、19900円台の前日終値近辺でもみあう。中国の1~3月期のGDPは+7.0%で6年ぶりの低い伸び。全人代で発表された2015年の目標「+7%前後」と一致し市場予測の+6.9%とほぼ同じだが上海市場は堅調。11時台になると日経平均は19880円付近まで下げても前場終了間際に急伸してプラスに浮上し前引けは1円高未満の19909円、TOPIXも僅差のプラスだった。

 後場は前引けより安くマイナスで再開し、午後1時20分頃までは19890~19910円のほぼ小幅安レンジで小動きし、プラスにもタッチ。ところが、2月の鉱工業生産指数確報値が-3.1%で速報値より0.3ポイント改善したものの100に届かなかった点、稼働率指数の-3.2%低下が嫌気されたのか日経平均もTOPIXも下落が始まり、2時6分に19823円まで下げる。中国市場も午後は軟調になっていた。その後は19840円付近でもみあうが浮上できず、終盤ようやく19870円前後まで上がってもそこが限界。最後の一押しも弱々しく大引けは38円安の19869円だった。

 日経平均終値は38.92円安の19869.76円、TOPIX終値は-2.01の1588.81。売買高は19億株で今週は3日とも20億株に届かない。それでも売買代金は2兆3229億円。値上がり銘柄数は612、値下がり銘柄数は1137。空運、保険、鉱業、陸運、建設、ガラス・土石、情報・通信など10業種が上昇し、水産・農林、証券、その他金融、医薬品、食料品、パルプ・紙、小売など23業種が下落した。

 16日の日経平均は反発。NYダウは75ドル高で続伸。NASDAQも3日ぶり反発。インテル決算を好感し高く始まり、緩和継続を決めたECB理事会後にドラギ総裁はユーロ圏の国債買い入れ継続は効果を発揮していると評価しヨーロッパ市場も堅調。鉱工業生産指数は0.6%低下したが株価への影響は限定的。しかし為替には影響しドル円は一時118円台までドル安が進行し朝方は119円台前半。CME先物清算値は19860円だった。