日本レコード協会は4月28日、「日本のレコード産業2015」をまとめた。2014年の音楽ソフト(オーディオレコード・音楽ビデオ)の総生産は、数量が前年比91%の2億2599万枚、売上高が前年比94%の2542億円と、ともに昨年を下回った。一方、「有料音楽配信」の売上は前年比105%の437億円で、2009年以来5年ぶりに前年実績を回復した。パソコン・スマートフォン向けの有料音楽配信が好調だったことから、全体の売上に貢献したとみられる。この結果、音楽ソフトの生産金額と有料音楽配信売上金額の合計は、前年比95%の2979億円となった。
オーディオレコード全体でみると、数量は1億7231万枚(前年比90%)、売上高は1864億円(同94%)と低迷が続く。内訳は、「CD アルバム」が1億1493万枚(前年比90%)、金額が1423億円(同93%)だったのに対し、「CDシングル」は5546万枚(前年比92%)、金額にして418億円(同97%)と、シングルの方がやや好調だった。「邦楽」と「洋楽」の売上高を比べると、昨年~一昨年と変わらず、87対13で「邦楽」人気が相変わらず高い。
「音楽ビデオ」は5368万枚で、前年比94%、売上高は677億円(同94%)だった。内訳は「音楽DVD」が4707万枚(前年比92%)、金額は491億円(同89%)だった一方、「音楽ブルーレイディスク」は660万枚(前年比116%)、金額は186億円で、前年比110%と好調だ。DVDとブルーレイディスクの比率は、数量にして88対12(昨年90対10)、金額では73対27(昨年76対24)と、ブルーレイの比率が着実に市場規模を広げている。ただ、DVDの減少分をカバーするまでには至らず、「音楽ビデオ」全体では数量・売上高ともに昨年実績を下回った。
14年の対象期間を通して、作品・楽曲の売上金額合計が最も多かったアーティスト(アーティスト・オブ・ザ・イヤー)は、邦楽では「嵐」、洋楽では「ワン・ダイレクション」だった。一方、対象期間中に発売されたアルバムの売上枚数が最も多かった「アルバム・オブ・ザ・イヤー」は、邦楽部門がAKB48の「次の足跡」、洋楽部門がテイラー・スウィフトの「1989」、アジア部門では東方神起の「TREE」がそれぞれ受賞している。(編集担当:北条かや)