15年度の新入社員、上司に求めるのは「熱血指導」よりも「おおらかさ」

2015年05月10日 19:31

 新入社員たちも、少しずつ業務に慣れてきた頃だろうか。今年の新人は、熱血指導に弱い「消せるボールペン型」(日本生産性本部)と言われているが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査でも、同じような結果が明らかになった。同社では毎年、3月下旬~4月上旬に新入社員対象のセミナーを実施しており、今年も受講者に対してアンケートを実施。1394人が回答した。

 就職活動については「とても大変だった(19.1%)」と「大変だった(46%)」が6割以上を占め、売り手市場でも就活は相変わらず「苦労した」との意識が強い。ただ、「大変」と答えた割合は前年よりも低く、企業の採用意欲が上向いた影響もあるようだ。また8割近くが、「応募する会社がブラック企業ではないか」と気に掛けたと回答している。

 そんな今年度の新人たちは、会社に何を望んでいるのか。「会社に望むもの」を3つまで順位をつけて答えてもらったところ、最多は「人間関係が良い」、次いで「能力の発揮・向上ができる」となった。この2つが突出して多いが、「私生活に干渉されない」に注目してみると、順位は低いが、11年から上昇傾向にある。15年度は約5人に1人が選択した。調査した三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、「ここ数年の新入社員の特徴として、仕事以外の生活を大切にしたいとの傾向が強く、ワークライフバランスを重視する姿勢が強まっている」とコメント。
 
 また、「理想の上司のタイプ」について7つの選択肢から選んでもらったところ、最も新人たちから人気だったのは“寛容型”の上司だった。寛容型とは、「情に流されやすい面もあるが、寛容で忍耐強い人格者タイプ」。一方、不人気だったのは、未熟な面もあるがバイタリティに富んだ「情熱型」上司だった。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、今年の新入社員は“ゆとり世代”の中心層。ややのんびりした環境で育っているため、「上司に対しても強い熱意より、おおらかさを望んでいる」そうだ。こうした新人たちの傾向が、毎年のように大きく変わることはないが、マネジメント側にとっては参考になるかもしれない。(編集担当:北条かや)