民主党の安住淳国対委員長代理は13日の記者会見で、12日に衆院で審議入りした労働者派遣法の政府の改正案について「根本から反対なので対案はない」と廃止に追い込むほかないとの姿勢を明確にした。
安住国対委員長代理は「もし、世の中のニーズに応じて労働形態を変えていくというのなら、年金制度なども変えなければいけない。正社員は厚生年金で、派遣労働者は国民年金のままなら、老後に大きな差が開く。そうしたさまざまな制度をきちんと整備して『働く自由』の環境を整えるのならいいが、今の改正案はまったくそういう手当てをしないまま、どんどん派遣労働者を増やしていくことが起こり得る」と政府案では深刻な事態を招くことになるとの考えを示した。
また自民党の佐藤勉国対委員長が3度目の法案提出で審議は尽くされているので衆院を早く通過させたいなどの考えを示していることに「2回廃案になっているのに、問題のある法案だと考えないほうがおかしい」と批判した。
枝野幸男幹事長は「(労働者派遣法の改正は)国民生活に多大な悪影響を及ぼす」としたうえで「国会だけで暴走を止めることはできない。国民的な関心を高め、世論を喚起していきたい」と世論を味方に法案成立を阻止する考えを示した。(編集担当:森高龍二)