震災から4年。ニュータウンは仙台復興のシンボルとなりえるか

2015年05月16日 18:17

 2011年の東日本大震災から4年が経過した。テレビなどで取り上げられる機会は少なくなってしまったが、被災地の復興が完了したわけではない。

 最大震度6強を記録し、市内では10万人を超える避難者を出した仙台市でも、その爪痕は深く、プレハブ仮設住宅に771世帯、借上げ民間賃貸住宅5815世帯、借上げ公営住宅等350世帯、6936にのぼる世帯が今なお、応急仮設住宅での生活を余儀なくされている。

 そんな仙台市に今年12月、地下鉄東西線が開通する。仙台市地下鉄東西線は仙台市交通局にとっては2本目となる地下鉄路線で、仙台市南西部の太白区にある八木山動物公園駅からJR仙台駅を経て、仙台東部道路・仙台東IC付近、若林区の荒井駅までを結ぶ約13.9km、全13駅を結ぶ。拡大する市域の渋滞を緩和する交通手段としてはもちろん、地下鉄を軸に駅ごとに交流が活性化することも期待されている。それに合わせ、沿線では仙台駅の改修も行われたほか、宅地開発も急ピッチで進んでいるのが現状だ。

 そんな中、地下鉄東西線の沿線であり、仙台市東部の防災集団移転地域でもある「さきまち荒井南サスティーナタウン」の公園通りにモデル街区が完成した。「さきまち荒井南サスティーナタウン」はトヨタホーム株式会社、パナホーム株式会社<1924>、住友林業株式会社<1911>の大手ハウスメーカー各社が共同で開発・分譲を行っているニュータウンだ。全区画を竹中工務店グループの竹中土木が造成工事を実施した。街区は146戸からなる「ブリーズスクエア〔そよかぜの街〕」と131戸の「ソレイユスクエア〔ひだまりの街〕」で構成されており、モデル街区がある「ブリーズスクエア」は、前述のハウスメーカー3社が最新の技術を投入したスマートハウス仕様の次世代型住宅となっており、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)をはじめ、太陽光発電システム、EV・PHV用充電器(コンセント)、高効率給湯器など充実のスマートアイテムを装備している。

 当エリアは地下鉄東西線の終着駅としても、今後の街づくりが注目されている地域。東西線の開通とともに発展を遂げ、仙台復興のシンボルとなりえるか、住民の期待も大きい。(編集担当:藤原伊織)