武力行使一体化の情報提供できない 後方支援

2015年05月17日 09:13

佐藤正久元防衛大臣政務官は安保法制見直しでの「後方支援」について「日米が連携を深める上では情報分野における協力も欠かせないが『武力行使の一体化』とみなされる可能性のある協力には(安保法制見直し後も)引き続き憲法上の制約がある」とブログで紹介した。

 佐藤議員は、この中で「例えば、武力行使を直接支援するための偵察活動や情報提供、攻撃指示など軍事作戦上の指揮・命令の範疇にある情報提供は認められていない」とした。

 また「補給や整備などの後方支援を行うことができる『現に戦闘行為が行われていない現場』であっても、情報分野における協力には制約がある」とした。

 佐藤議員は「武力行使の一体化に当たるか否かを判断するひとつの基準である『大森4要件』と関連法案の整合性に関しては、より明快に(野党・国民に)説明する必要があると感じている」としている。

 大森4要件とは、平成9年2月の衆院予算委員会で大森内閣法制局長官が答弁で「他国による武力の行使と一体となす行為であるかどうか、その判断につきましては大体4つぐらいの考慮事情を述べてきている。要するに、戦闘活動が行われている、または行われようとしている地点と当該行動がなされる場所との地理的関係、当該行動等の具体的内容、他国の武力の行使の任に当たる者との関係の密接性、協力しようとする相手の活動の現況等の諸般の事情を総合的に勘案して、個々的に判断さるべきものである」云々と国会で答えた部分と今回の法案とが整合性がとれていることの説明の必要性を示している。

 また、大森局長は大森4要件の根拠について、平成9年11月の衆院予算員会で「憲法9条にある」と答えた。大森局長は「憲法9条が武力の行使を禁止しているということから、当然の帰結として、法的評価において武力の行使と評価される行為はやはり9条で禁止されている」とした。(編集担当:森高龍二)