生活の党の小沢一郎代表は定例記者会見で自民党の憲法草案について「単なる思いを述べた散文調の憲法草案みたいな気がする」と指摘した。
また、小沢代表は「自民党の憲法草案の言葉でもって非常に誤魔化しがあるのは、個別的自衛権の拡大解釈」と危険性を提起した。
小沢代表は「自民党の憲法草案では、どうにでも解釈できるような文言になっている」とし「かつての大日本帝国の大陸派兵は、すべて個別的自衛権の発動です。邦人の生命 ・ 財産が危うくなったと、日本国の権益が侵されるという理由で大陸に出兵した。集団的自衛権のことばっかり今言っているけれども、一番過ちを大きくするのは個別的自衛権の拡大解釈。日本が攻撃されたとか何とかということと関係なく(派兵)できるということになる」と自民党の憲法草案では歯止めがない旨を語った。
小沢代表は「日本人は今や世界中どこにでもいるから。会社であれ個人であれ、どこにでも財産を持っている。そこで日本人が殺されたり、財産を盗られたりしたら、それで出兵して良いのかと言うと『そのところ(紛争地帯)の政府の許可を得なければできません』 と言うが、当たり前だけど、政府がしっかりした政府なら、そういう勝手なテロ活動は起きないはず。政府に治安維持能力がない地域、国だからそういうことが起きる」とした。
小沢代表は「その政府が了承したからと言って紛争の真っただ中に出すと同じことで、この話はメチャクチャ」と述べ、歯止めには「現に日本国が攻撃を受けた場合、事実上そういう状態になった場合でない限り、自衛権の発動はしない。日本人がたとえ巻き込まれても、あとの紛争は国連の平和活動を通じて行う。この原則をしっかり守らないと何でもできてしまう」と指摘。
小沢代表は政府・与党の安保法制見直しについても「安倍総理はじめ政府の説明は、まさに抽象的、曖昧な言葉で本質を隠そうとしているように見える。これは非常によろしくないこと。安倍さんがこうしたいと思うなら、そう言えば良いし、それに基づいてきちんとした結論を出していくということでないと。まさに曖昧なまま既成事実を積み重ねていくという手法。これは、日本人とくに官僚の手法ですけれども、このやり方はまさに歴史の轍をまた踏むことになるというふうに思います」と強い懸念を示した。(編集担当:森高龍二)