数年前から、たびたび話題になる「英語の社内公用語化」。実際に、英語を公用語とする企業で働くビジネスパーソンたちは、どんな課題を感じているのか。日本でTOEICプログラムを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会が、英語が社内公用語の企業で働く20~50代の会社員を対象にアンケートを実施したところ、勤務先の公用語が英語になったことについて、「良かったと思う」「まあ良かったと思う」の回答は合計69.1%に達した。一方、「良くないと思う」「あまり良くないと思う」の合計は6.4%にとどまり、(調査元が国際ビジネスコミュニケーション協会であるにしても)多くは英語の公用語化を前向きに捉えている。
英語が社内公用語に切り替わった時期については、33.3%が「創業時から英語が公用語」、それ以外では10.7%が「3年以内」、14.1%が「3~5年未満」、24.8%が「5年以上前」に英語に切り替わったと回答している。
英語公用語企業に勤める社員が、英語の4技能(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング)の中で、「勤務先で重視されている」と感じるスキルについて聞いたところ、「スピーキング」が83.7%と最も高かった。転職経験別に見ると、転職回数の多い人ほど「ライティング」が重視されていると回答する人の割合が高くなる。多くの企業で働くほど、話すだけでなく、英語での書類作成などの技術も必要になることを、痛感するのだろうか。「スキルが不足していると感じている英語スキル」についても、「スピーキング」が66%で最も高かった。ビジネスで重視されつつも、苦手意識を感じる「話す能力」の向上が、課題の1つといえそうだ。
英語公用語企業に勤める社員が、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングのうち、どれを主に学習しているのか質問したところ、こちらも「スピーキング」が71.8%と最多だった。役職別に比較すると、各スキルを「学習している」人の割合は、英語の4技能いずれにおいても「マネジメント層」が最も高く、次に中間管理職、一般社員の順になっている。役職が高い人ほど学習熱心であることを反映してか、「TOEICスコア800点以上」の割合も、役職が上がるほど高い。「800点以上」の割合は、一般社員で22.2%、中間管理職で25.4%だったのに対し、マネジメント層では31.4%となっている。(編集担当:北条かや)