サッポロビール、ガラス片混入でワイン自主回収

2015年05月22日 07:53

 一時期、何かと世間を騒がせていた異物混入問題だが、また新たな問題が発覚した。大手ビールメーカーのサッポロビールは20日、南アフリカ産のワインの一部でガラス片の混入が確認されたとして、対象商品約4万8000本を自主回収するとの発表を行った。こうした異物混入については、一部で「完全になくすことは難しい」という意見も言われているが、飲料品の中にガラス片が混入されたとなると、これは「なくすことは難しい」では済まされない問題だ(もちろん、ハンバーガーの中にビニール片が混入していたとしても看過すべきではないが)。万が一にこれにより被害者が現れたとなれば、サッポロビールに対する消費者の信頼が大きく失墜することは間違いないだろう。

 サッポロビールの発表によれば、ガラス片の混入の恐れがあるのは同社が輸入・販売している南アフリカ産ワイン「ドロスディ・ホッフ カルベネ・ソーヴィニヨン 750ミリリットル」と、「ドロスディ・ホッフ シャルドネ 750ミリリットル」の2種類で、市場で流通している可能性がある最大4万8000本を自主回収する。
 
 20日の発表時点では健康被害は報告されていないが、5月12日と18日の検査で、最大1.5ミリ程度のガラス片の混入が確認されたとのこと。12日に千葉県にある物流センターで出荷前の商品を検査したところ、従業員がワインの中にガラス片が混入しているのを発見。それを受けて同工場で製造されたほかの商品を調査したところ、10本のワインの中からガラス片が発見された。

 発見されたガラス片は、ワインの瓶に使用されているガラスと一致している以外にも、混入していたワイン瓶の口の部分が欠けていたとのことで、サッポロビールは輸入元である南アフリカのディステルに原因を調査するように求めている。

 また今回の異物混入の発表に際して同社は、「再発防止を図るとともに、一層の品質向上に向けて努力いたします」とコメントしている。2014年末より相次いで発覚した異物混入問題だが、15年になってもまだこうして新たな問題が発覚したとなると、一連の問題により高まっていた消費者の「食の安全」への意識が、ますます高まることとなりそうだ。(編集担当:滝川幸平)