後方支援中断も関係国に法令理解得ておく 防相

2015年05月27日 16:48

 後方支援について、民主党の枝野幸男幹事長は26日の衆院本会議で「これまでの後方支援は非戦闘地域での活動に限定されていたが、提出されている法案では『実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域』という限定が取り除かれ、『現に戦闘が行われている現場』でなければ活動できる規定になっている」としたうえで、自衛隊員の安全確保について「政府は現場の判断で活動を休止できるという規定もあり、これを根拠に安全は確保できると説明しているが、空理空論のきわみだ」と指摘した。

 また「補給や輸送は受け入れ部隊との密接な連携協力のもとにされるので、前線で必要とされている輸送や補給という重要な業務を任務の途中で放り投げ、自分たちだけ逃げるというのでは相互の信頼関係は成り立たない。初めから、法制上できないことはできない旨を明確にする方が、ずっとましだ。このような中途半端なやり方は自衛官に大変な困難と危険を負わせる一方、自衛隊の国際的信用を失うことにつながりかねない」と中谷元防衛大臣の認識を質した。

 これに対し、中谷防衛大臣は「後方支援は、そもそも戦闘の前線で行うようなものではない。危険を回避して活動の安全を確保したうえで実施するものだ」と反論した。

 中谷防衛大臣は「重要影響事態法、国際平和支援法において、補給や輸送などの支援活動が円滑かつ安全に実施することが困難であると認める場合、防衛大臣は活動の中断などを命じなければならないことになっている」とし「自衛隊の活動が我が国の法令に基づき実施されることは当然であり、他国にあっても同様のこと。この観点から、我が国の法令の内容を事前に関係国に十分説明し、理解を得ておくことが重要と考えている」とし、理解を得ておくことで「活動を中断しても、他国との信頼関係が損なわれることはない」との考えを示した。(編集担当:森高龍二)