総務省は5月29日、4月の家計調査を発表。それによれば1世帯(2人以上)あたりの消費支出は30万480円であり、物価変動を除いた実質で前年同月と比べて1.3%ダウンという結果であったことがわかった。前年同月は消費税増税が実施されたこともあり大きな落ち込みをみせたが、今回はさらにそれを下回ることとなった。去年の消費税増税以来、個人の消費マインドは低下傾向にあるが、その傾向が今なお続いていることがうかがえる形となった。
項目別に見てみると、リフォームなどを含む「住居」が前年同月比20.6%ダウンの1万6146円であり、消費税増税後の2014年4月もリフォームなどの駆け込み需要が一部残っていたため、反動が現れる形となった。海外旅行や宿泊費などの「教養娯楽」は前年同月と比べて8.5%ダウンの2万8601円であり、「教育」も前年同月と比べて12.6%ダウンの1万9910円といずれも前年同月を下回った。その一方で、「家具・家事用品」は前年同月と比べて19.5%アップの9003円、「被服及び履物」も前年同月と比べて8.5%アップの1万2493円と前年同月を上回った。
家計調査について、市場予想では3%プラス程度を見込んでいたが、調査対象全10項目のうち、「住居」が前年同月と比べて20.6%ダウンと大きな落ち込みをみせたことが影響して、市場予想を下回りマイナスという結果になった。
しかしその一方で、サラリーマン世帯の実収入は47万6880円であり、実質で前年同月と比べて2.0%アップという結果であり、こうして前年同月を上回るのは1年7ヶ月ぶりとなる。また収入の増加に合わせて消費支出も増加しており、サラリーマン世帯の4月の消費支出は33万4301円であり、実質で前年同月と比べて0.5%アップしており、1年1ヶ月ぶりのプラスとなる。
また総務省は同日に、4月の全国消費者物価指数(2010年=100)も発表。それによれば、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月と比べて0.3%アップの103.3と、これで23ヶ月連続でのプラスとなった。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は前年同月と比べて0.4%アップの101.0、それらを合わせた総合指数は前年同月と比べて0.6%アップの103.7という結果であった。(編集担当:滝川幸平)