情報流出の公表遅れ 全容解明後と判断 厚労相

2015年06月03日 19:43

 日本年金機構が保有する個人情報125万件が流出した問題で、塩崎恭久厚生労働大臣はなぜ報告を受けた5月28日に流出の可能性と注意喚起をしなかったのかと3日の衆院厚生労働委員会で野党議員から質され「個人情報が含まれているかどうかわからなかったので申し上げなかった(公表しなかった)」と説明した。29日に公表しなかったことについては「全容を解明したうえでと考えた」と釈明した。

 塩崎大臣はこの日の答弁で、5月28日に報告を受けたが、その時の内容は「28日午後、警視庁から機構に対し外部の民間サーバーに機構から情報を持ち出していると思われる痕跡があるとの報告があり、情報漏えいした情報内容を確認し、個人情報が漏えいしていた場合には公表する予定という報告が機構から同日夕に一報としてあった。この時点では個人情報が含まれているかどうかわからなかったので申し上げなかった」とした。

 また「29日午後に概要を聞いたが、内容が分からないままに発表するということは国民に不安を与える可能性があると考え、全容を解明した上で公表することとした」とした。

 29日午後の概要報告では「個人情報が入っているとの情報ではあったが、どの程度かということはまだ全く分からない状況だった」とした。

 民主党の大西健介議員は「情報流出の詳しいことが分からなくても、流出したことを伝え、注意を呼びかけるべきではなかったのか。また、5月29日には、この場所(衆院厚生労働委員会)で法案審議をしていた。にもかかわらず、一言も我々に説明がなかった。何事もなかったかのように審議に臨んでいた」と大臣の対応を問題視した。

 大西議員は「なぜ、5月29日に情報流出の可能性が高く、現在調査中だということ。付随して、詐欺的な電話がかかってくるかもしれないので注意をと言えなかったのか」と質した。(編集担当:森高龍二)