財務省は17日に5月の貿易統計速報(通関ベース)を発表。それによれば、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が2160億円の赤字であったことがわかった。こうして貿易収支が赤字となるのは2ヶ月連続のこと。ただし赤字幅については前年同月の9172億円から大幅に縮小した。縮小した背景には、原油価格の下落などが影響したものとみられている。前月比では赤字幅は拡大。前月は558億円の赤字であった。
財務省の発表によれば、輸出額は前年同月比2.4%アップの5兆7405億円であり、これで9ヶ月連続での増加。品目別に見てみると、半導体等電子部品が前年同月比11.8%アップ、船舶が前年同月比37.1%アップという結果であり、鉄鋼は前年同月比6.7%ダウンという結果であった。
また輸入額は前年同月比8.7%ダウンの5兆9564億円であり、これで5ヶ月連続での減少となった。品目別に見てみると、通信機が前年度月比51.3%アップ、原粗油が前年同月比31.7%ダウン、液化天然ガスが前年同月比44.1%ダウン、鉄鉱石が前年同月比43.0%ダウンという結果であった。
地域別に見てみると、アメリカ向けの輸出額は前年同月比7.4%増の1兆861円で、輸入額は前年同月比11.5%アップの6824億円であり、貿易収支は4037億円の黒字であった。これで黒字幅は9ヶ月連続で増加した。輸出品目では有機化合物が前年同月比20.3%アップ、船舶が前年同月比77.7%アップ、自動車が前年同月比10.3%ダウンとなり、輸入品目では自動車が前年同月比23.6%アップ、重電機器が前年同月比110.0%アップという結果であった。
EU向けの輸出額は、前年同月比0.4%アップの6021億円で、輸入額は前年同月比1.1%アップの6611億円であり、貿易収支は590億円の赤字であった。これで5ヶ月連続の赤字となった。
アジア向けの輸出額は前年同月比3.3%アップの3兆1868億円であり、輸入額は前年同月比3.0%ダウンの2兆8578億円であり、貿易収支は3290億円の黒字であった。これで3ヶ月連続の黒字となった。
そして中国向けの輸出額は前年同月比1.1%アップの1兆607億円であり、輸入額は前年同月比1.5%アップの1兆4423億円であり、貿易収支は3816億円の赤字であった。これで39ヶ月連続での赤字となった。(編集担当:滝川幸平)