5月の粗鋼生産、7%減。9ヶ月連続のマイナス

2015年06月24日 07:52

 自動車の生産台数が減少していることなどが影響して、粗鋼生産量が低下し続けている。19日に日本鋼鉄連盟(鉄連)が5月の粗鋼生産量を発表。それによれば、前年同月比7%ダウンの891万6500トンであった。これで9ヶ月連続でのマイナスとなった。大口需要である自動車の国内生産が減少したことが影響した上に、前年同月の生産実績が好調だったこともあり、マイナス幅は4月の6.6%ダウンよりも拡大することとなった。ただし前月比では6.1%プラスであった。

 品種別に見てみると、条鋼類は前年同月比0.5%ダウンの162万3000トンであり、これで9ヶ月連続でのマイナスとなった。鋼板類は前年同月比3.1%ダウンの463万4000万トンであり、これで7ヶ月連続でのマイナスとなった。

 主要品種の生産内訳を見てみると、自動車や家電などに幅広く使用される「広幅帯鋼」は前年同月比2.2%ダウンの375万1200トンであり、7ヶ月連続でのマイナス。自動車の車体などに使用される「亜鉛めっき鋼板」は前年同月比16.4%ダウンの89万7400トンであり、10ヶ月連続でのマイナス。また自動車の生産台数自体も10ヶ月連続でのマイナスとなっている。ビル建設に使用される「H形鋼」は前年同月比22.2%アップの38万1000トンであり、10ヶ月ぶりにプラスとなった。在庫の調整が落ち着き、生産が上昇傾向にあるためとの見方がなされている。

 そのほか、「厚板」は前年同月比6.4%ダウンの82万6000トンであり、2ヶ月連続でのマイナス。条鋼類では「小型棒鋼」が前年同月比4.5%ダウンの75万5000トンであり、これで9ヶ月連続でのマイナス。「大形形鋼」は前年同月比10.9%ダウンの8万3000トンであり、4ヶ月連続でのマイナス。「中小形形鋼」も前年同月比6.5%ダウンの8万9000トンであり、2ヶ月ぶりのマイナスとなった。

 日本鋼鉄連盟は今回の結果について、在庫削減のために高炉メーカーが生産を調整したことなどを要因に挙げつつも、住宅向けなど一部には下げ止まりの兆候が見られるとの見方を示している。(編集担当:滝川幸平)