MM総研は国内MVNO市場の2015年3月末実績を発表した。それによると、MVNOサービスの総契約回線数は、2015年3月末時点で3,045万回線となり、2014年3月末(1,480万回線)に比べ回線数で105.7%増加した。
2013年3月末に初めて1,000万回線を突破し、1,037万回線となったMVNO市場。2年後の2015年3月末には3,000万回線を突破し、急速に市場が拡大している。今後も引き続きMVNOサービスの総契約回線数は順調に伸長していくことが予想されるとしている。
細かく見ていこう。15年3月末時点の契約回線数を回線種別に分類すると、携帯電話(3G/LTE)が1,135万(シェア37.3%)、BWA(WiMAXおよびAXGP)が1,892万(同62.1%)、PHSが18万(同0.6%)で、BWAカテゴリが最多となった。2014年3月末時点では携帯電話カテゴリが730万(シェア49.3%)とBWAの726万(同49.1%)を上回っていたが、2015年3月末時点ではBWAの回線数が逆転した。
BWAカテゴリでは、MNOでもあるMVNO向けの回線数が大きく伸長した。AXGP回線では、ソフトバンクモバイル向けに提供するWireless City Planningが契約回線数を引き続き伸ばした。さらにWiMAXおよびWiMAX2+を提供するUQコミュニケーションズは、提供先のKDDI(au)がWiMAX2+対応のスマートフォンを2014年夏モデルから販売を開始した効果もあり、この1年間で大きく契約数を伸ばしているという。
また、MVNO市場の中でも注目を集める「低価格SIM」を含む独自サービス型SIMの回線契約数は、2015年3月末で326万回線となった。ここでは、SIMとは独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する個人/法人向けの各種サービスを指す。2014年3月末時点では173万回線だったので、1年間で回線数は88.4%増加した。全キャリアの回線契約数を合計したモバイル市場全体は、2015年3月末で1億7,670万だった。
独自サービス型SIMはモバイル市場全体から見ると、構成比で1.8%となり、2014年3月の1.1%から0.7ポイント増加した。依然としてモバイル市場全体では小さなシェアに留まっているが、普及阻害要因である「サービス認知度の低さ」「端末調達ハードルの高さ」「購入チャネルの少なさ」「サポートの弱さ」が改善されつつあり、今後の急速な普及が期待される。また、訪日外国人の増加に伴い、利用期間・利用可能容量が限定されたプリペイドSIMの販売数が増加している。2020年のオリンピックへ向けて、さらなる需要の拡大が期待されるとしている。
そして、2015年3月末時点の事業者シェアを見ると、1位はOCNモバイルONE等を提供するNTTコミュニケーションズで22.6%(73.8万回線)。次いで、IIJmio SIM・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブの16.4%(53.6万回線)、BIGLOBE LTE/3G・うれスマ等を提供するビッグローブ7.1%(23.3万回線)、b-mobileブランド等を提供する日本通信の5.3%(17.2万回線)となる。4事業者のシェア合計は、2014年3月末時点に引き続き、独自サービス型SIMの過半数に達するとしている。(編集担当:慶尾六郎)