報道の自由の担保へ政府見解 理事会で協議約す

2015年07月02日 07:26

 民主党の辻元清美衆院議員は1日の衆院安保特別委員会で、政府は国家の存立危機事態にNHKはじめ民放各社に対し、どのような協力要請をするのかと質した。

 中谷元防衛大臣は「武力攻撃事態法ということで、10年前にできた法律だが、真っ先に国民に知らすべき『危険』であるとか、『避難の方法』とか、そのような時に国内の各社に協力を頂くという内容ではないかと思っている」と、「ではないか」などというあいまいな答弁を行った。報道規制は行われないとする答弁はなかった。

 このため辻元議員は「報道規制は行われないとする担保はどこにあるのか」と質した。中谷防衛大臣は「法律に、協力を求めるということであり、義務でも、強制でもない。協力をもとめるという内容であると私は認識している」と大臣としての認識を示しただけで、客観的な、報道規制は行えないと担保する答弁はなかった。

 辻元議員が「では協力をしなくてもいいのか」と質すと、中谷大臣は「法案に書かれた通りでございます」と逃げた。辻元議員は「武力攻撃事態の法案3条に、『武力攻撃事態等及び存立危機事態への対処においては、国、地方公共団体及び指定公共機関が、国民の協力を得つつ、相互に連携協力し、万全の措置が講じられなければならない』とあり、指定公共機関の中には民放、NHKも含まれている。措置が講じられなければならないとなっている。それでも、従わなくてもいいという場合があるということか」と再度質した。

 中谷防衛大臣は「10年前に政府は答弁した内容と、基本的に、存立危機事態においても同じという事だ」と述べた。

 辻元議員は、浜田靖一委員長に対し「この法案について、報道の自由をしっかり保障するということを政府の見解として出して頂くよう、理事会で協議してください」と求めた。浜田委員長は「理事会で協議する」と約した。

 辻元議員はこの質問の意図について、今の安保法案の審議の中でも「マスコミ懲らしめろ」発言のようなものが飛び出した。存立危機事態ではさらにマスコミへの規制などが懸念されることになるとして、報道の自由を保障することを担保しなければならないと提起した。(編集担当:森高龍二)