バーバリーは、日本でのパートナー、三陽商会とのライセンス契約を6月に終了したばかりだ。このパートナーシップは1970年から実に45年、ほぼ半世紀続いたものであったが、2009年にバーバリーが日本に直営店を出した頃から、両社の契約は終了するだろう噂されていた。
英国を代表するラグジュアリー・ブランドのバーバリーは、同社が製造するメーキャップおよびフレグランス商品の日本への輸入・販売を資生堂<4911>に託す内容で同社と契約を締結した。
資生堂グループはすでに、フランスの子会社、ボーテ プレステージ インターナショナルを通じて、バーバリーのフレグランスの輸入販売業務を一部の国で行ってきたが、日本でのバーバリーのメーキャップおよびフレグランスの取り扱いは今回が初めてである。
バーバリーといえば、日本でのパートナー、三陽商会<8011>とのライセンス契約を6月に終了したばかりだ。このパートナーシップは1970年から実に45年、ほぼ半世紀続いたものであったが、2009年にバーバリーが日本に直営店を出した頃から、両社の契約は終了するだろうとアパレル業界では噂されていた。
バーバリーにとってライセンス契約をするメリットは、本国製に比べて手頃な価格で商品を提供できることだった。しかし、今後は商品を本国製のみの販売体制に切り替えていくという。こういった事情を踏まえると、同社は新たなる攻勢を日本市場にかけていると見なしていいだろう。新たに化粧品事業を展開することもバーバリーはブランドイメージの再構築のひとつだと考えているはずだ。
バーバリーといえば、古くは長嶋茂雄を起用した三陽商会が制作した1975年のCMが反響を呼んだり、97年の安室奈美恵の結婚発表記者会見で、彼女が同社のスカートを着用し、それが当時「アムラー」と言われるファンに爆発的に支持されたりもした。
元々、同社は重厚なイメージが強かったのだが、安室奈美恵が愛用したことから一気に若年層にも広がっていたわけだ。ただこれは裏を返せば、ブランドイメージとしては必ずしもいいことばかりではないだろう。
そんな訳で、今回の三陽商会とのパートナーシップ解消を機会に、前述したようにバーバリーはブランドイメージの再構築を考えていると筆者は考える。その一環として資生堂との恊働が、どんな結果をもたらすか今後の推移を見守っていきたい。(編集担当:久保田雄城)