多くの人が悩まされている「ドライアイ」。参天製薬によると、ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れたりすることによって「涙が均等に行きわたらなくなり、目の表面に傷が生じる病気」だ。エアコンがきいた環境や、パソコンやスマホの使用、コンタクトレンズ利用者の増加に伴い、ドライアイの患者は全国に2200万人ともいわれる。
冬に比べ、夏は気温や湿度が高いため「ドライアイ」とは無縁のように思われがちだが、日本アルコンが全国の調査したところ、パソコンの使用率が高い人のうち、約7割が夏場も「目の乾燥」に悩んでいることが分かった。
調査は日本アルコンが今年5月、全国20~50代のオフィスワーカー(男女150名ずつ)のうち、職場で1日平均4時間以上パソコンを使用する人に、ウェブアンケートで実施。「あなたは夏にドライアイの症状(目が疲れやすい、目が乾燥する、目がゴロゴロする・不快感があるなど)を感じたことはありますか?」と聞いたところ、「ある(33%)」「時々ある(40%)」とを合わせて、73%が夏場のドライアイに悩まされていることが分かった。思い当たる人も多いだろう。
「夏のオフィスの乾燥で不快に感じるもの」を3つまで選んでもらった結果では、「目の乾燥(71.1%)」がダントツで多かった。次いで「唇の乾燥(21%)」、「口の乾燥(14.3%)」、「目元の乾燥(13.3%)」などとなっている(「特にない・分からない」は17.7%)。
さらに「仕事の生産性や業務効率を下げるいちばんの要因と思うもの」を同様に3つまで答えてもらったところ、「目の乾燥(74%)」が最多に。次点の「口の乾燥(15.3%)」を大幅に上回った。「ドライアイの原因」と考えられているものは「エアコン、パソコン」がそれぞれ約7割を占め、次いで「コンタクト」が半数弱だった。
一方、何らかの目の乾燥対策を講じている人は約4割にすぎず、うち約9 割が目薬を使用していると回答。眼科受診は約1割、コンタクトを変更してみるという人は5%と少数派だった。ドライアイ研究の第一人者、横井則彦氏(京都府立医科大学)が勧める「夏場のドライアイ対策8か条」によると、「目が疲れたら目を暖める」、「目薬は防腐剤の入っていない人工涙液タイプを使う」などが有効という。また横井氏いわく、ストレスで交感神経が緊張していると瞬きの回数が減り、涙の分泌が減少する。そのため、ストレスと上手に付き合うことも「ドライアイ」を防ぐのに重要だそうだ。(編集担当:北条かや)