流通大手のユニーグループ・ホールディングス<8270>は、コンビニ事業においてセブン-イレブンの一強状態に対抗すべく、そして競合他社との生き残りをかけた競争に打ち勝つために、今年の3月からコンビニ大手のファミリーマート<8028>との経営統合に向けた協議を開始したが、3日に発表した2015年3~5月期連結決算によれば、子会社であるサークルKサンクスの一部店舗で収益性が悪化したことなどが影響して、コンビニ事業の営業利益が大幅にダウン。その結果、3~5月期としては4年ぶりに最終損益が赤字に転落した。
ユニーグループ・ホールディングスの発表によれば、売上高にあたる営業収益は前年同期比0.1%ダウンの2497億円、営業利益は前年同期比14.7%ダウンの44億円、最終損益は前年同期の6億円黒字から一転して26億円の赤字となった。主力である総合スーパー事業が苦戦したこと、またコンビニエンスストア子会社のサークルKサンクスが61億円の減損損失を計上したことなどが影響した。
コンビニ事業の営業利益は前年同期比13.9%ダウンの21億円で、競合他社との競争の激化、また賃借料の増加などが影響した模様。総合スーパー事業の営業利益も、前年同期比42.4%ダウンの13億円と前年同期を下回った。14年9月に上海に開業した店舗のテナント入居が遅れたこと、また衣料品の業績が伸び悩んだことなどが影響した。
そうしてコンビニ事業と総合スーパー事業が苦戦する一方で、金融事業はクレジットカード「UCSカード」の会員数増加などの影響により前年同期比46.9%アップの10億円と好調に推移した。
そして16年2月期通期の連結業績見通しについては、営業収益を前期比1.7%アップの1兆364億円、営業利益を前期比16.1%アップの235億円、最終損益を前期の24億円赤字に対して48億円の黒字と、従来の予想を据え置いた。
現在ユニーグループ・ホールディングスはファミリーマートどの経営統合に向けた協議を進めており、8月ごろの基本合意を目指している。はたしてこの経営統合が実現した際、今回赤字に転落した同社の業績に対してどういった影響を及ぼすのか、すでに「経営統合後」の同社の動向に対して注目がなされている。(編集担当:滝川幸平)