コンビニの立地評価モデルをGISで構築 サークルKが日本IBMのソリューションを導入

2015年07月03日 08:37

 コンビニエンスストアは日常生活に欠かせない身近なショップとして定着し、現在もその業態やサービスを進化させ続けている。一方で、国内のコンビニ店舗数は、約5万2,000店(出典:2015年3月度、JFAコンビニエンスストア統計調査月報)を超える状況にあり、各チェーンの競争は激しさを増している。

 日本IBMでは、同社の立地評価ソリューション「IBM SPSS Modeler」をサークルKサンクス<3337>が採用し、高精度な店舗の立地評価モデルを構築したと発表した。

 「IBM SPSS Modeler」は、CSVなどの多様な形式のデータを容易に取り込めることや、データの作成や加工の手軽さ、ノンプログラミングでのモデリングが可能などの特長を持つ。

 サークルKサンクスは、前述のようなコンビニ市場環境の変化に対して、的確な出店を図り、自社チェーンの優位性を高めるため、客観的な数値に裏付けられた判断力を重要ととらえ、地理情報システム(GIS)を活用した立地評価に取り組んでいる。
 
 同社は、出店ポイントの確定後、そのポイントをGISに入力し、マーケティング分析や商圏作成をし、最終的な立地評価を行う。しかし、分析モデルが導き出した立地評価結果が、ビジネス現場の感覚と乖離してしまうことがあるため、GISから得られた結果を分析する基盤として、「IBM SPSS Modeler」の活用を開始したという。

 GISでは、現場の経験から得られた知見について、数値的な裏づけとして駐車場や間口の広さといったインプットとなるデータと売上などの結果となるデータを集計して取り入れるなど、精度を上げるために調査項目とモデルの見直しを継続している。

 GISの調査項目では、本来の目的である地理情報に加えて、作成した商圏の人口動態や就業者数などの統計データ、店舗のさまざまな機能、人や自動車の交通量のバランス、開店した店舗の周辺環境などを確認するなど、データ内容を精査し、立地評価の分析精度を高めるための取り組みを開始。また、必要に応じて研究会を開催し、現場の担当者や部門長などから意見を募り、GISの活用を通じて培ったノウハウや知見を共有することで、分析モデルの構築とリモデルに取り組んでいる。

 サークルKサンクスは、立地評価モデルに加えて、新しいアプローチから物件を評価するマニュアルの整備や、出店後の店舗を客観的に検証できる検証ツールなどを導入して、さまざまな視点から店舗を評価することで総合的な立地評価をさらに推進していくとしている。 (編集担当:慶尾六郎)