楽器デザイナーが考えた電動アシスト自転車の未来のカタチ

2015年07月12日 13:12

0±0

楽器のデザイナーが考えた電動アシスト自転車“O±O”

 ヤマハ発動機<7272>が、7月3日に六本木ヒルズで開催した「Two Yamahas, One Passion~デザイン展2015~」で、電動アシスト自転車“O±O(ゼロプラスマイナスゼロ)”を日本で初披露した。充電スタンドに設置することで、自らペダルを漕いでバッテリーに充電するシステムを採用し、充電した電気を電動アシスト自転車に使えるのはもちろんのこと、バッテリーを持ち出して、電気で動く楽器や機器を楽しむこともできる。そうした電気とポジティブに向き合うライフスタイルをアシストするのが“O±O”なのだ。

 2013年の東京モーターショーで、ロードバイクのコンセプトモデル「YPJ-01(イプシロンプロジェクトゼロワン)」を披露したのは記憶に新しいが、それとはまったく違うプラットフォームになっている。

 YAMAHAのロゴをよく見ると、ヤマハ発動機ではなく、楽器メーカーであるヤマハのロゴになっている。そう、この“O±O”をデザインしたのは、楽器デザイナーなのだ。ちなみに、ロゴの見分け方は簡単で、YAMAHAのMの文字を見ればわかる。Mの谷の部分が下まで落ちていなく、谷が浅いのが楽器のヤマハだ。

 機構として面白いのが、バッテリーを革製のケースに入れて、フレームにぶら下げられているところ。この革製ケースのバンド部分とフレームが電気を流す接点になっているのだ。しかも、フレーム内の配線を通して、電気をドライブユニットまで届けているから、見た目がすごくスマート。

 また、モーターユニットやフレームの一部の素材に銅を使用し、サドルやハンドルには本革を使うなど質感も高めている。操作スイッチはハンドル内に内蔵し、パッと見はとても電動アシスト自転車には見えないのも特徴的で、クラシックさとハイテクを融合させている。あくまでもプロトタイプなので、残念ながらバッテリーやドライブユニットはダミーになる。できることなら、走行中でも充電ができる、回生ブレーキのようなシステムだったらさらに面白いと思うのだが、それはまた次世代の話。芸術の域まで高められた趣味性の強い電動アシスト自転車なら、価格が50万、100万円だと言われても購入する人はいるだろう。(編集担当:鈴木博之)

CAP)