ANA、アフリカ路線を拡大。最後のフロンティアへの渡航需要に対応

2015年07月19日 20:21

画・ANA、アフリカ路線を拡大。最後のフロンティアへの渡航需要に対応

全日本空輸・ANAは、世界経済の「最後のフロンティア」と期待されるアフリカ向け航空路線網を昨年10月から、エチオピア航空とコードシェア提携を行っているが、さらに拡大する。 

 全日本空輸・ANA<9202>は、世界経済の「最後のフロンティア」と期待されるアフリカ向け航空路線網を大幅に拡大する。

 アフリカ路線に強いブリュッセル航空との共同運航(コードシェア)によって、アフリカ路線を拡充する。ルフトハンザドイツ航空傘下のブリュッセル航空は、ANAと同じ「スターアライアンス」に加盟しており、ケニアのナイロビ、コンゴのキンシャサなどアフリカの19都市に就航している。

 すでにANAは昨年10月から、エチオピア航空とコードシェア提携を行っている。70年の歴史を持つエチオピア航空はアフリカ最大のネットワークを誇る航空会社で、アディスアベバからアフリカ域内49地点への接続便を運航している。

 ただ、ANAのコードシェアによる乗り入れはケニア、南アフリカ共和国、エチオピアの3カ国にとどまっていた。これがブリュッセル空港とのコードシェアによって一気に拡大すると予想される。

 2013年頃から、世界の航空各社はアフリカ便増設を急いできた。欧州大手のエールフランス航空は同年春に、コートジボワール最大の都市アビジャンとパリを結ぶ路線を週7便から週10便に拡充した。オランダのKLMオランダ航空も同年夏にアムステルダムとザンビアのルサカ、アンゴラのルアンダなどを結ぶ路線を新設した。

 アフリカ各国を代表する航空会社の間でも競争が激しさを増している。各社ともアフリカ大陸のハブ(拠点)としての地位を狙っている。ANAがコードシェア提携したエチオピア航空は、大陸のほぼ中央部に位置するアディスアベバ空港の優位性を売り物にしている。エチオピア空港に対抗するのが、エジプト航空や南アフリカ航空だ。両社は、旅客数ランキングではそれぞれアフリカ1、2位の座にある。さらに、ケニア航空は16年までにアフリカ各国の全首都に就航する目標を掲げてエチオピア空港に対抗しようとしている。

 現在は、アフリカへ渡航する日本人は1日300人弱にとどまっているが、今後航者数は急速に拡大すると見られている。ANAのアフリカ路線強化の動きが、さらに活発になってきそうだ。(編集担当:久保田雄城)