7月21日に、ヤマハ・コミュニケーションプラザで、鈴鹿8耐に出場する選手を迎えた、ヤマハ社員たちによる激励会が開かれた。
最初にヤマハ発動機<7272>の木村副社長が登壇。「今年、創立60周年を迎えたヤマハは、レース活動も同じくらいの年数があります。この記念すべき年に、MotoGPにおいてはロッシ、ロレンソといったヤマハのライダーがタイトル争いを繰り広げています。また全日本ロードレース選手権では、前人未到の5度目のチャンピオンに挑む、中須賀選手が4戦中3勝をあげて、ポイントリーダーに立っています。鈴鹿8耐では、2002年以来、13年ぶりにファクトリーチームを組み、新型YZF-R1で19年ぶりの優勝を目指します」
この中でも注目なのはなんといってもファクトリーチームの「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」だろう。国内最高峰のJSB全日本ロードレース選手権で現在3連覇中の中須賀克行選手や、二輪ロードレース最高峰のMotoGPの現役ライダー2名起用しての3名体制といった盤石の構えだからだ。ただ、昨年の鈴鹿8耐ではゲリラ豪雨の影響で大波乱の幕開けとなり、走行時間も6時間55分に短縮されるなど、鈴鹿に魔物が潜んでいるから勝負は最後までわからないのも事実。
ここで鈴鹿8時間耐久ロードレースをおさらいしておこう。鈴鹿8耐はFIM世界耐久選手権シリーズの第3戦にあたるもので、毎年夏に鈴鹿サーキットで開催される、国内最大規模のロードレースのこと。2~3人の選手で交代しながら、8時間という長丁場で1台のマシンの走行距離を競うもの。
クラスは2つあり、EWCクラスはFIM世界耐久選手権のレギュレーションとなり、JSB1000(全日本ロードレース選手権)のマシンとほぼ同等で、タイヤ交換が素早くできるなど、ある程度の改造が許されている。ファクトリーチームはEWCクラスに出場して、極限まで周回数を競う。これに対して、SST(スーパーストック)クラスは、市販車に限りなく近く、マフラーやタンク、タイヤなどのごく一部の改造しか許されていない。いわば、保安部品を外した市販車がサーキットを走っているようなもの。
今年は総合優勝やSSTクラス優勝に一番近いとの呼び声も高いヤマハ。他にもYZF-R1を使用して参戦するヤマハのプライベートチームも多数出場するなど、19年ぶりに表彰台をヤマハブルーで埋め尽くせるかもしれない。7月26日(日)の決勝戦で鈴鹿サーキットに行って確かめたい。(編集担当:鈴木博之)