サメ肌にご用心! 3.5人に1人が悩む「毛孔性苔癬」とは?

2015年07月25日 18:36

 肌の露出が多くなるこの時期、とくに女性は肌のケアへの関心が高くなる。中でもインターネットでの検索率が急増するワードに「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」や「毛孔角化症(もうこうかくかしょう)」がある。男性には聞き慣れないかも知れないが、若い女性にはポピュラーな病名だ。また、病名に覚えはなくとも、「二の腕がプツプツ、ザラザラする症状」といえば思い当たるのではないだろうか。

 二の腕以外にも、太ももやお尻などにもできることがあり、命にかかわるような重篤な疾患ではないものの、女性にとっては深い悩みとなっている。

 「毛孔性苔癬」の主な原因は肌のターンオーバーの異常といわれている。肌の代謝のバランスが崩れてしまうことで毛穴に角質が異常に溜まってしまい、その結果、皮膚の表面が盛り上がってブツブツになるのだ。症状を改善するためには、薬やクリーム等で溜まってしまった角質を取り除く必要がある。そしてその上で肌の代謝異常を正常化させるために血行促進を図る。さらに、赤味をともなう場合は、炎症を抑えることも大切だ。

 日本女性のおよそ3.5人に1人が悩みを抱えているといわれており、マーケットとしても大きな可能性を秘めているにもかかわらず、実は近年まで「毛孔性苔癬」を治療するOTC医薬品は存在していなかった。

 2013年に業界で初めてこの症状に着目したのがロート製薬<4527>で、同社のブランドであるメンソレータムから、「メンソレータムRザラプロ」の販売を開始して話題となった。同製品は「毛孔性苔癬」の症状改善に特化したOTC医薬品で、肌の生まれ変わりを促進して症状の改善を図るものとなっている。角質に水分を与えて柔らかくする角質軟化作用を持つ尿素が10%配合されており、古くなった角質をやわらかくし、はがれやすくする事で、肌をもとのスベスベの状態に戻していく。

 「メンソレータムRザラプロ」の発売をきっかけに、小林製薬<4967>が尿素を20%配合したクリームタイプの塗り薬「ニノキュア」を新発売したのをはじめ、弱酸性でお肌にやさしいファミリーユースのスキンケアクリームとして愛用者の多いサトウ製薬の「パスタロンクリーム-L」なども、「毛孔性苔癬」の効果を打ち出してきている。

 「毛孔性苔癬」は別名「サメ肌」ともいわれ、鮫の肌質のようにザラザラに見えるのが特徴。いくら夏の海でも、鮫のような肌ではいただけない。早い内にちゃんとケアをして、ツルツルのお肌を取り戻したいものだ。(編集担当:藤原伊織)