【今週の振返り】小動き、薄商いが続いて106円下落した週

2015年07月25日 20:33

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決算シーズンで日米で「業績相場」復活。しかし日経平均は動きが乏しくなり、日中値幅は139円、101円、59円、103円。風雨と波濤がおさまった後の、静かの海。

 21日の日経平均は6日続伸。前週末17日のNYダウは33ドル安。住宅着工件数、建設許可件数、CPIとも堅調だったが週末要因もあり利益確定売りに押された。一方、ネットフリックスに続きグーグルも好決算を発表しNASDAQは2日連続で史上最高値更新。つなぎ融資を受けたギリシャ政府は20日にECBとIMFに対する約62.5億ユーロの債務支払いを完了した。

 週明け20日のヨーロッパ市場は全面高だったが、NYダウは13ドル高。午前中はマイナスで、午後は防衛関連のロッキード・マーチンやハリバートンの好決算を受けてプラスに転じたものの、取引終了前に下げて小幅高で終えた。NASDAQは3営業日連続で史上最高値を更新したがS&P500は更新できなかった。金先物は一時50ドル割れ。要因はリスクオンではなく中国の金の保有高が市場予測を下回り「株式市場を買い支えるために大量の金を売っている」という観測を呼んだこと。21日朝方の為替レートはドル円は124円台前半、ユーロ円は134円台後半で円安基調。CME先物清算値は20790円と高かった。

 19日に東京地方は梅雨明けし、学校の夏休みと歩調を合わせて真夏が始まった。3連休明けの日経平均は112円高の20763円で始まる。TOPIXは1670台にタッチ。日経平均は20750円プラスマイナス20円以内の水準を維持し、序盤から前週後半から続く「高値圏・小動き・薄商い」。東証は20日に東芝<6502>の不適切会計について「組織的不正」を認定した第三者委員会の調査結果を受けて同社株を「特設注意市場銘柄」に指定する検討に入った。上場は維持される。しかし東芝は13.6円高で始まり、オリンパス<7733>や大王製紙<3880>の時と同じように市場全体への影響は限定的。均衡が破れたのは午前10時30分で、20日は0.91%のプラスだった上海市場が1.3%のマイナスで始まると日経平均は20710円の安値をつける。しかし上海総合指数が下げ幅を圧縮するにつれて10分たらずで元の20730~20770円のゾーンに戻り、11時台にいったん凹んでも前引けは88円高の20739円だった。

 後場はほぼ前引け水準で再開し、小動きする範囲がやや上になり20750~20780円のレンジに。午後0時53分に20779円の高値をつけた。1時台は20760円を軸に動きが乏しくなる。上海市場は午前、プラスに定着して終えていた。2時を過ぎると変化が出て上放れ。高値を取りながら20800円に接近し、2時20分すぎに20800円を突破する。6日間で1000円を超える上昇をみせても、まだまだ上値を追うエネルギーがある。終盤になると上海が上昇幅を拡大し為替のドル円が125円に接近したため、日経平均は先物主導でさらに高値を取り続けて2時57分に20850円にタッチ。大引けは191円高の20841円で6日続伸。20800円台は6月24日以来のこと。TOPIXは1670台で終えてJPX日経400とともに7営業日続伸した。社長が引責辞任する東芝はそれも織り込み済みだったのか23.1円高で終えていた。

 日経平均終値は191.05円高の20841.97円、TOPIX終値は+10.94の1673.88。薄商いが続き売買高は19億株で20億株を割ったが、売買代金は2兆1825億円で、2兆円台の連続記録をなんとか71営業日に伸ばした。値上がり銘柄数は1261、値下がり銘柄数は494。27セクターが上昇し、その上位は海運、電気・ガス、空運、小売、パルプ・紙、医薬品、その他製品など。保険はプラスマイナスゼロ。下落は石油・石炭、鉄鋼、金属製品、非鉄金属、卸売の5セクターだった。

 22日の日経平均は7営業日ぶりの大幅安。NYダウは181ドル安で18000ドル割れ。ヨーロッパ市場の上昇は一服し、IBM、ユナイテッドテクノロジーの決算が悪くてダウの足を引っ張る業績相場。取引終了後のアップル、マイクロソフト、ヤフーの決算発表待ちもあって大幅安になった。金先物は9日続落。為替のドル円は黒田日銀総裁が物価目標に強気のコメントを出したためNY時間に円高に振れて123円台後半、ユーロ円は135円台半ば。CME先物清算値は20720円だった。

 日経平均は184円安の20657円で始まる。序盤から徐々に水準を切り下げるが10時台前半まで20600円台は維持する。アップルの4~6月期決算は増収増益だったがiPhoneの売上は市場予測を下回り、「Apple Watch」の発売後の売れ行きも市場予測の400万個を大きく下回ったと推測されクックCEOは「年末商戦に期待」と述べた。7~9月期の見通しも市場予測を下回りアップル株は時間外取引で急落し、村田製作所<6981>、ローム<6963>、アルプス電気<6770>など東京市場のアップル関連銘柄の株価は軒並み3ケタ安。上海市場はプラスで始まってもプラスとマイナスを行ったり来たりする乱高下。日経平均は20600円を割り込み午前11時17分に20576円の安値をつける。20600円台に戻れないまま前引けは260円安の20581円。

 後場は20600円台を回復して再開するが当初は20600円をはさんだ小動き。ユニクロが中国のネット通販「京東商城」への出店を3ヵ月で取りやめるニュースが流れたファーストリテイリング<9983>がブレーキで、前場まで3日続伸した東芝<6502>も、アメリカで株主から訴訟を起こされたニュースが伝わると、もろくも急落してマイナスに。それでも日経平均は1時台は20600円台後半まで徐々に上昇するが、2時台にかけて20600円台前半に押し戻される。その動きは猛暑の中でシエスタ(昼寝)しているかのようにゆっくり。6月の訪日外国人客数が発表され前年同月比52%増の160万人。ともに過去最高を記録した46万人の中国人、13万人の香港人が中国株暴落でどれだけ減るのか、7月分の発表が今から気になる。6月の全国スーパー売上高は+0.3%で3カ月連続プラス。上海市場はマイナスでも日経平均は終盤まで底堅く20600円台を維持していたが、大引けでは割り込んで248円安の20593円で終え7営業日ぶりの下落。TOPIX、JPX日経400は8営業日ぶりに下落して終えた。日経平均先物日中取引は20540円まで下げた。

 日経平均終値は248.30円安の20593.67円、TOPIX終値は-18.51の1655.37。売買高は21億株、売買代金は2兆3689億円で、2007年9~12月以来の2兆円以上72営業日連続のタイ記録達成。値上がり銘柄数は288、値下がり銘柄数は1517の全面安。上昇セクターは石油・石炭、ガラス・土石、空運の3業種だけ。下落セクターは30業種で、下位は鉱業、銀行、電気機器、その他金融、繊維、水産・農林、ゴム製品などだった。