【今週の振返り】大台割れ寸前から515円戻し40円上昇の週

2015年08月01日 20:22

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いろいろな出来事があった7月も、結局は月間で349円の上昇。「終わり良ければ、全て良し」で済ませて、それでいいのだろうか?

 取引開始前に経済産業省が発表した6月の商業動態統計速報値は、小売業販売額は前年同期比+0.9%だが前月比では伸び率が2.1ポイント低下した。日経平均は96円高の20425円と、25日移動平均の20411円を抜いて始まった。TOPIXもプラス。しかしそれは「寄り高」で、序盤の日経平均は20400円台をキープできずに下落し、TOPIXをプラスに置いたままマイナスに沈んでしまう。20300円も割り込んで午前9時14分に20270円まで下げる。「日経平均寄与度御三家」の一角ファナック<6954>が、スマホ関連の中国向け販売の不振で通期業績見通しを下方修正し、大幅安で始まった影響が日経平均に重く響く。いったんプラスに戻しても10時台には20200円台そこそこまで下落。上海市場はプラスで始まるものの上げ幅を圧縮したため、11時10分に20205円の安値をつけた後もほぼ横ばいで、前引けは117円安の20210円だった。

 後場は下げ幅を縮小して20200円台半ばで再開し、午前0時台のうちに20300円を回復。しかしその後は一時プラスにタッチしてもほぼ小幅マイナス圏で20300円をはさんで行ったり来たりの状態が最後まで続く。下げ幅が10%を超えたファナックと〃準御三家〃の東京エレクトロン<8035>が日経平均の足を引っ張り、電子部品関連など値がさハイテク銘柄も軒並み安。それに対しファーストリテイリング<9983>が上場来高値更新で対抗するという「御三家綱引き大会」の構図。それを横目にTOPIXはしっかりプラス圏を維持していた。FOMCの結果待ちの様子見もあり日経平均は結局プラスでは終われず25円安の20302円で4日続落したが、TOPIXはプラスで4日ぶりに反発し「NTねじれ現象」出現。日経平均先物日中取引は20300円で前日と同じ終値。上海総合指数は「魔の時間帯」の悪魔が天使に変身したのか、マイナスだったのが終盤に急上昇し+3.44%で終え、4日ぶりの反発になった。

 新規IPOが1件。元はソニーグループで光学材料、電子材料、接合材料などの製造・販売を手がけるデクセリアルズ<4980>が東証1部に直接新規上場した。公開価格1600円に対して9時6分、3.1%安い1550円の初値がついた。終値は1598円。新規IPO今年4回目の黒星で、4月22日からの連勝記録は引き分けをはさんで21でストップした。4日続落で地合いも悪かったが、資金吸収金額が864.7億円で純資産544億円の1.58倍程度ながら時価総額に対し85.7%もあるのが、セカンダリー市場では不利に働いたようだ。

 日経平均終値は25.98円安の20302.91円、TOPIX終値は+4.48の1633.94。売買高は20億株、売買代金は2兆4597億円。値下がり銘柄数は847よりも値上がり銘柄数920のほうが多い。上昇セクターは23業種でその上位は情報・通信、小売、精密機器、食料品、保険、倉庫など。下落セクターは10業種でその下位は電気機器、海運、機械、ゴム製品、不動産、空運などだった。

 30日の日経平均は5日ぶりの反発。NYダウは121ドル高で大幅続伸。今週最大の注目イベント、FOMCの結果は金融政策現状維持で、声明文では雇用への見方を上方修正しながら原油安を背景に物価への見方は弱かった。9月利上げがあるのかないのか全くシッポをつかませず、眼光紙背に徹して行間にイエレン議長の意志を読み取ろうとするFRBウォッチャーお得意の「英文解釈」のスキルのご活躍も限定的。株式市場は「9月はない」と解釈し結果発表後に上げ幅拡大。長期金利は右往左往しいったん下げた後に上昇。原油先物はプラス。金先物は「9月もありうる」とみてマイナス。利息がつかない金は利上げに弱い。為替はドル高になり朝方のドル円は124円近辺、ユーロ円は136円台前半。CME先物清算値は20455円だった。

 取引開始前に発表された6月の鉱工業生産指数速報値は+0.8%で、5月の-2.1%から大きく改善し市場予測の+0.3%を上回った。基調判断は据え置き。アメリカの株高、円安を背景に日経平均は147円高の20450円でスタートし25日移動平均(20391円)だけでなく5日移動平均(20442円)も一気に抜く。TOPIXは2ケタのプラスで始まった。序盤は前日の悪役ファナックも上昇に切り返し、日経平均は順調に上げ幅を拡大。午前9時30分前には今週初めて20500円の節目を突破し、9時39分に20540円、TOPIXは1655まで上昇した。10時40分頃まで20500円台前半で安定的に推移した後、再び上昇して高値を取る展開。上海市場はマイナスで始まってもプラスに浮上していた。11時25分に20583円の高値をつけ、前引けは275円高の20578円だった。

 上海市場が再びマイナスになり、後場は上げ幅を圧縮して再開するが、20500円を割り込んでも数分間で元に戻ししっかりキープ。それでも上値は抑えられ20500円台前半にとどまる。大手銘柄の4~6月期決算がピークでザラ場中も次々ニュースが入り、反応して売買がふくらむが、電機セクターがやや不振。終盤にも一時20500円を割ったが、すぐに戻し219円高の20522円と5日ぶりのプラスで終えた。TOPIXは続伸。4日続落でザラ場ベースでは20708円から20070円まで638円下落したが、終値でその約7割を取り戻した。上海は「大引け間際の悪魔」が復活して終値は2.20%の下落だった。

 新規IPOが1件。「塾ナビ」など教育関連のポータルサイトの運営を行っているイトクロ<6049>が東証マザーズに新規上場。公開価格1930円に対し9時6分、4.1%高い2010円の初値がついた。白星とはいえ、初値がつかず翌々日に持ち越しもあった7月前半に比べると弱い。これで7月の新規IPOは全て終了し、成績は5勝1敗だった。