違憲根拠は奴隷的苦役でなく、意に反した苦役

2015年08月01日 17:53

 石破茂地方創生担当大臣(元防衛大臣)は7月31日のブログで、徴兵制について「徴兵制度は、わが憲法の秩序の下では、社会の構成員が社会生活を営むについて、公共の福祉に照らし当然に負担すべきものとして社会的に認められるようなものではないのに、兵役といわれる役務の提供を義務として課せられるという点にその本質があり、平時であると有事であるとを問わず、憲法第13条、第18条などの規定の趣旨からみて許容されるものではないと考えている」(昭和55年8月15日政府答弁書)と閣議決定での答弁で、許容されないとしていると、改めて政府答弁を紹介した。

 また、「憲法18条に規定する『その意に反する苦役』とは、その性質が苛酷なるものとか苦痛を伴うもののみに限られず、広く本人の意思に反して強制される役務をいうものと解してしている。」「兵制度によって一定の役務に従事することが本人の意思に反して強制されるものであることに着目して…『その意に反する苦役』に当たると考えているからである」(昭和56年3月10日政府答弁書)との閣議決定答弁も紹介。

 石破大臣は「私は過去『徴兵制は合憲である』と申し上げたことは一度もありません」としたうえで「『意に反した奴隷的苦役』であるので憲法違反とすることには違和感を覚えると何度か申し上げたことはあります」と、奴隷的苦役だから違憲という理由には違和感を覚えるということであり、違憲の理由は「意に反した苦役」ということでのものだとの考えを示した。(編集担当:森高龍二)