依然として続く不振の中に、ほんのわずかな光が見え始めた。しかしそれは、まだまだ小さな光である。7日に日本マクドナルド<2702>が2015年7月の売上高(既存店ベース)を発表。それによれば、前年同月比12.6%ダウンとこれで18ヶ月連続で前年を下回ったものの、6月よりも減少率は改善した。6月は前年同月比23.4%ダウンという結果であり、10.8ポイント改善した。
日本マクドナルドの使用期限切れ加工肉問題が発覚してから、ちょうど1年が経った。昨年7月の売上高は前年同月比17.4%ダウンであり、問題発覚から1年が経過しても依然として2桁減少の状態が続いている。ただし売上高は前月よりも改善されており、さらに7月の客数は前年同月比9.3%ダウン、客単価は前年同月比3.6%ダウンとそれぞれ減少率は改善されている。6月の客数は前年同月比10.4%ダウン、客単価は14.5%ダウンという結果だった。
今回の結果に対して日本マクドナルドは、本格的な回復とは言えないものの、客数は改善しつつあるという評価を示している。確かに、7月より販売を開始した野菜をたっぷり使用した新商品により、客数には1年ぶりに2桁減少から脱却し、改善傾向がみられ始めている。しかし売上高は、去年7月に使用期限義理加工肉問題が発覚して以来、13ヶ月連続で2桁減少が続いている。
日本マクドナルドは来月8月の増収を目標としており、それに向けて7月にはレギュラーメニューに野菜を豊富に加えた3つの期間限定商品や、100円の「マックシェイク」を投入したほか、去年好評を博した「アボカドバーガー」を当初の予定より1週間前倒して4日から発売するなど、積極的な新商品攻勢を仕掛けている。その結果、店舗に客足が戻りつつあるという。この流れに乗って傾いた経営を立て直すことができるかどうか、改善傾向は見られ始めたものの、まだまだ予断は許さない状態だ。
12日には15年6月の中間決算の会見で、サラ・カサノバ社長が経営を立て直すためのてこ入れ策を発表する予定。どのような策が発表されるのか、注目がなされている。(編集担当:滝川幸平)