【MotoGP第11戦】チェコGP J・ロレンソが今季5勝目でランキングトップに躍り出る

2015年08月17日 15:13

MotoGP第11戦チェコ戦写真

ランク1位に躍り出たJ・ロレンソの快心の走り

 8月16日、先週からの連戦となるMotoGP第11戦の決勝が開催された。舞台はチェコ共和国のブルノ・サーキット。全長約5.4km、コーナー数は左6、右8、コース幅15m、最長ストレート636m。自然の起伏を活かしたコースレイアウトで高低差が大きい。その為バイクの運動性能と馬力が問われるサーキットだ。またMotoGP開催地の中でも総来場者数20万人以上という、トップクラスの大観衆を集めることで知られるサーキットだ。

 予選は気温、路面温度共に上昇し、タイヤのグリップをとるのがむずかしくなった。そんな中、コースレコードを更新して予選トップとなったのが、ホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)だ。以下、マルク・マルケス(レプソルホンダ)、ヴァレンティーノ・ロッシ(モビスターヤマハMotoGP)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)、ブラッドリー・スミス(モンスターヤマハテック3)。以上までがサーキットベストラップを更新するという脅威の予選結果となった。またFP2で転倒、左足を負傷した影響からかダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)は9番グリッドからのスタートとなった。

 翌日の決勝は気温26°、路面温度39°のドライコンディションでスタートした。ホールショットは予選でポールポジションを獲得したJ・ロレンソ。2番手はM・マルケス、予選3番グリッドスタートのV・ロッシはスタートでやや出遅れたが、3周目でアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)をかわし、3番手に浮上した。

 レース序盤はトップを走るJ・ロレンソの後ろにM・マルケスがぴたりとつき、後ろを徐々に引き離していく。7周目あたりで2番手M・マルケスと3番手V・ロッシとの差は約4.8秒と広がった。

 レース中盤になるとJ・ロレンソとM・マルケスの差は少しずつ開いていき、残り9周でその差は約2.4秒となった。後半に入っても安定した走りでタイムを上げるJ・ロレンソに対して、M・マルケスはタイヤのスライドも影響してかタイムにややムラが出始める。

 レース後半はスタート直後より陽射しが強くなり路面温度が上がってきた為、タイヤが厳しくなるのは他のライダーたちも同じようだ。1番手から3番手はを走るライダーはある程度の間隔を保ったままの単独走行になったが、4位争いのA・イアンノーネ、A・ドヴィツィオーゾ、D・ペドロサのバトルは激しくなる。その後A・イアンノーネがやや抜け出す形となる。

 残り4周でトップを走るJ・ロレンソと2番手M・マルケスの差は約3.3秒とさらに開き、J・ロレンソの独走体制となった。結局フィニッシュまでそのままの状態でJ・ロレンソがポールトゥウィンを飾り、今季5勝目を獲得した。2位M・マルケスとの差は約4.5秒だった。V・ロッシは3位、M・マルケスとは約10.4秒差でのゴールだった。4位はA・イアンノーネ。5位争いを繰り広げていたD・ペドロサとA・ドヴィツィオーゾはラストラップまでもつれたが僅差でD・ペドロサが5位を勝ち取った。

 今回の決勝はファーストローにJ・ロレンソ、M・マルケス、 V・ロッシが並んだことで最後まで僅差のデッドヒートが繰り返されると予想されたが、J・ロレンソが得意の逃げ切りで2位以下を引き離し圧勝した。

 これにより、総合ポイント数はJ・ロレンソとV・ロッシが211ptで並んだが、優勝数の多いJ・ロレンソがランキング1位に浮上した。ランキング3位のM・マルケスと4位A・イアンノーネとのポイント差は17pt。優勝の行方はまだ見えない。チームスズキエクスターのアレイシ・エスパルガロは予選17位と出遅れたが、決勝は9位まで順位を上げた。チームメイトのマーヴェリック・ヴィニャーレスは15周目で転倒リタイアに終わった。

 次戦は8月30日、イギリスのシルバーストンで開催される。複合コーナーが多数配置されたハイスピードトラックだ。2週間の間に各チームにどのように調整するのか、J・ロレンソとV・ロッシのポイントランキング争い、M・マルケスの追い上げも気になるところだ。ドゥカティやスズキのファクトリー勢がどこまで食い下がれるのか、こちらも注目される。(編集担当:水沢潤)