トヨタ製SUVの最重量級モデル「ランドクルーザー」をマイチェンし「Safety Sense P」を搭載

2015年08月20日 07:36

Land cruiser

トヨタ製SUVとして国際的に評価が高い「ランドクルーザー」に充実した衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を搭載した。写真は最上級グレードのZX、682.56万円(サンルーフ、サイドステップなどはオプション)

 トヨタは、同車の大型SUV、ランドクルーザーをマイナーチェンジした。今回のマイナーチェンジで、ランドクルーザーシリーズの頂点として力強さと先進的なイメージを進化させるべくデザインを一新。

 マイナーチェンジの最大のニュースは、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」をトヨタ車で初採用したことだ。歩行者をも検知するプリクラッシュセーフティをはじめ、最先端の安全機能を全車標準装備として総合的な安全性能を獲得した。

 「Toyota Safety Sense P」は、ミリ波レーダーと単眼カメラを用い、統合的な制御で、クルマだけでなく歩行者も認識する歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティをはじめ4つの先進安全機能をセットした衝突回避支援システムで全車に標準装備する。

 「Toyota Safety Sense P」には以下の安全運行支援システムが組み合わされる。まず、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティは、前方の車両や歩行者を検出し、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキで衝突回避支援と被害軽減を図る。自動ブレーキは、歩行者に対しては約10~80km/hの速度で作動する。歩行者との速度差が30km/hの場合なら、約30km/h減速し、衝突回避しつつ衝突被害の軽減を支援する。対象が車両の場合には、約10km/hから最高速までの幅広い速度域で作動。停止車両に対し自車の速度が40km/hの際には約40km/h減速し、衝突回避および衝突被害の軽減を支援する。

 次いで、ブレーキ制御付レーダークルーズコントロールは、先行車との車間距離の検知にミリ波レーダーを使用し、設定スピード内で先行車の車速に合わせて速度を調節し、一定の車間距離を保ちながら追従走行するシステム。

 このほか、カメラによって走行車線の白線などを認識し、車線逸脱の可能性を検知した場合にはブザーとディスプレイ表示でドライバーに警報を出すことで、車線逸脱回避を促すレーンディパーチャーアラート(LDA)。カメラによって対向車のヘッドランプ、または先行車のテールランプを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替え、夜間の前方視界確保を支援するオートマチックハイビーム(AHB)。隣の車線を走る車両をレーダーで検知し、車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニター(BSM)。駐車場から後退する際に接近してくる車両をBSMのレーダーで検知し、ドライバーに注意喚起するリヤクロストラフィックアラートなどを設定。急ブレーキをかけるとハザードランプが自動的に点滅し、後続車に注意喚起する緊急ブレーキシグナルを全車に標準装備する。また、四輪それぞれの空気圧をマルチインフォメーションディスプレイ内に表示可能としたタイヤ空気圧警報システム(TPWS)を設定することで、安全なドライビングをサポートするという。

 エクステリアデザインにも手が入れられた。ランドクルーザーシリーズの頂点にふさわしい機能性を追求した美しさや風格が与えられ、全体として伸びやかなスタイルが実現した。

 全長×全幅×全高4950×1980×1880mm、ホイールベース2850mmの堂々たる体躯に、LEDヘッドランプを採用。トヨタ最上級SUVにふさわしいアグレッシブなフロントマスクも特徴だ。リヤコンビネーションランプ下側をつなぐライセンスガーニッシュにより一体感を強調し、リヤビューにワイド感と安定感を与えた。

 搭載エンジンは4.6リッターV型8気筒DOHCの1UR-FE型。最高出力318ps(238kW)/5600rpm、最大トルク46.9kg.m(460Nm)/3400rpmを叩き出す。組み合わせるトランスミッションは6速オートマティックで、車重2430kg-2680kgのランクルを苦も無く最高速域に引き上げる。

 最上級グレードのZXは、切削・光輝処理とグレーのコンビネーションを施した高級感あるデザインの20インチアルミホイールを装着。AX、AX“Gセレクション”は、放射状に広がる5本のツインスポーク18インチアルミホイールを採用する。

 ボディカラーは、新たにカッパーブラウンマイカとダークブルーマイカを追加し全9色とした。

 インテリアは、アルミを削り出しヘアライン処理風の重厚感のあるパーツとソフトな表皮巻を組み合わせ、上質な室内空間を演出。センタークラスターにはスイッチや表示類を集約し、機能ごとにまとめて配置することで操作性を向上させた。オプティトロンメーターは、機能的な6眼メーターとしている。シート表皮にはセミアニリン本革を採用するとともに、天井色にブラックを追加。内装色には新規設定色のブラウンを含む4色を設定した。

 車両価格は、GX(5人乗り)が472.8437万円、AX“Gセレクション”(8人乗り)が585.4582万円、最上級のZXが682.56万円となる。(編集担当:吉田恒)