今週、8月第4週(8月24~28日)は5日間の取引。世界の主要な株式市場の休場日はない。国内の経済指標は28日の取引時間前に、月末の金曜日恒例の国内経済指標の発表ラッシュ。4本の指標はどれも重要。
24日は6月の景気動向指数改定値、25日は7月の民生用電子機器の国内出荷実績、外食産業売上高、26日は7月の企業向けサービス価格指数、28日は7月の労働力調査(有効求人倍率、失業率)、消費者物価指数(CPI/7月全国、8月東京都区部)、7月の家計調査(二人以上世帯実質消費支出)、商業動態統計(小売業販売額など)が、それぞれ発表される。
25日に気象庁が9~11月の3ヵ月予報を発表する。秋は早くから秋めくこと、冬は早くから気温が下がることが景気には一番良い。26日に8月の月例経済報告が公表される。
主要銘柄の決算発表は端境期。24日はタカショー<7590>、26日はアインファーマシーズ<9627>、27日はラクーン<3031>、東和フードサービス<3329>、28日はエイチ・アイ・エス<6903>、ダイドードリンコ<2590>、大和コンピュータ<3816>が発表する。
今週の新規IPOは3件。新規上場先としては以前よりも人気がなくなった東証2部が珍しく2件ある。
26日に土木管理総合試験所<6171>が東証2部に新規上場する。長野市が本社で土木建設工事に必要な試験・調査・分析を行う試験総合サービス事業や地盤補強サービス事業を行う。公開価格は1250円。東証2部上場は今年はまだ3回しかなく2勝1敗。全4敗の中の1敗なのでイメージはよくないが、高い初値をつけて吹き飛ばしてほしいところ。
28日にメタップス<6172>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、スマホアプリの広告運用コンサルティング、ECのオンライン決済サービスを行う。公開価格は3300円。ネット広告、オンライン決済という投資家人気が出そうなジャンル。
同じ28日にラクト・ジャパン<3139>が東証2部に新規上場する。東京が本社で、乳原料・チーズ、食肉加工品などの輸入・卸売の他、海外子会社でチーズの製造も行う。公開価格は1400円。ディフェンシブ系として人気の食品セクター。販売先には大手乳業メーカーも名を連ね、前期の連結EPSが255円もあり堅実。
海外の経済指標は25日のアメリカの新築住宅販売件数とCB消費者信頼感指数が重要。27日から3日間の日程で毎年8月下旬恒例の「ジャクソンホール・シンポジウム」が開催されるが、イエレンFRB議長は今年は欠席する予定で、「避暑地の出来事」で株価が「びっくり大将」になることはなさそう。「九月になれば」利上げなのかどうかは、まだわからない。
24日はアメリカの7月のシカゴ連銀全米活動指数、25日はドイツの4~6月期国内総生産(GDP)確報値、8月のIFO景況感指数、アメリカの6月のFHFA住宅価格指数、S&Pケース・シラー住宅価格指数、8月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の新築住宅販売件数、8月のCB消費者信頼感指数、26日はアメリカの7月の耐久財受注額、27日はフランスの8月の製造業信頼感指数、ユーロ圏の7月のマネーサプライ、アメリカの4~6月期国内総生産(GDP)改定値、7月の中古住宅販売仮契約、28日は中国の1~7月の工業企業利益、英国の4~6月期国内総生産(GDP)、ユーロ圏の8月の消費者信頼感指数、ドイツの8月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの7月の個人所得・個人消費支出、8月のミシガン大学消費者態度指数確報値が、それぞれ発表される。
27~29日にワイオミング州ジャクソンホールで、カンサスシティー連銀主催の「金融・経済シンポジウム」が開催される。
アメリカ主要企業の決算は25日にトール・ブラザーズ、26日にアバークロンビーアンドフィッチ、ウィリアムズ・ソノマ、27日にティファニー、ダラー・ゼネラルが発表する予定。
前週の東京市場は決算発表もSQもお盆休みも終わって17日から日本経済再起動。さあ活気づくかと思えば、前々週とうって変わって薄商い。まるで市場関係者は夏休みを1週間、後にずらして取っているかのようだった。週明け17日には売買代金の連続2兆円超え記録も89でストップした。薄商いになると東京市場はABNアムロ、ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバなど裁定取引業者による指数先物プレイの大運動会と化し、「先物主導」の言葉を聞かぬ日はなし真夏の昼下がり。そして時差1時間の「魔市場・上海」の波乱に翻弄されるばかりだった。その結果は18日から4日続落し週間騰落は1083円安で、4ケタのマイナスは今年初だった。
名投資家クロード・ローゼンバーグは「株式市場は常に行きすぎる」と言ったが、日経平均はいま「落ちるとこまで落ちました」という状態。21日終値19435.83円のテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は25日線(20495円)も75日線(20330円)も5日線(20173円)も、700円以上も遠く離れて上空に浮かんでいる。振り向けば200日移動平均線(18987円)の影が忍び寄っている。
ボリンジャーバンドでは19649円の25日線-3σより下に位置する。ボリンジャーバンドは統計学の「標準偏差」「正規分布」という考え方に基づいていて、株価が+3σか-3σに位置する確率は0.3%で、-3σに位置する確率はその半分で0.15%しかない。666営業日に1日ということは、2年に1度あるかないかというめったに起こらないポジションで、それほどまでに前週の下げはすさまじかった。言い換えれば今週、これより下に下がることは考えにくい。